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第六十五話「シャルロッテの女中たち(下)」
「承知いたしましたわ!」
スカートをめくりあげるよう告げた令息の指示に真っ先に反応したのは妹分のロゼではなく、金髪のエリーゼであった。
巻き毛の少女は長い丈の黒地のスカートの裾をひっつかむと、ウィルの眼前で白い長靴下で覆われた脛を露出させ、次いで膝小僧を晒す。
毎回この瞬間にはたまらないものがある――しかも視線の高さがちょうど少女の股の位置であり、手を伸ばせばそこに届くのだ。
ウィルの足元に置かれたカンテラが少女のふくらはぎを扇情的な陰影で照らし出しており、ふと少女が爪先を左右に開いて立っていることに気がついた。
(あ、そうか。バレリーナだったら足を晒すのにも慣れていて当然か……)
スカートを持ち上げる少女の手は、ガーターベルトの紐の架かる白さの眩しいふとももを通りすぎ、いまにも股が見えそうになったあたりでピタリと止まり、ブルブルと震えだした。
いくらバレリーナでも、このようなかぶりつきな観客の前で自分の股ぐらを晒した経験などあろうはずがない。
そのときエリーゼの隣に立つロゼが「あら」と唇を綻ばせながら、煽るようにスルスルと自分のスカートを持ち上げはじめた。
「あっ! お、お待ちなさい!」
どちらがより早くウィルの眼前に下着を晒すか意地と羞恥心が天秤にかけられた結果、金髪の少女は、
「どおりゃっ!」
意外に野太いかけ声とともに、スカートを臍のあたりまで一気にめくり上げ、自らの股ぐらを少年の眼前に晒したのだ。
黒地のお仕着せが裏返り、スリップやペティコートと一緒にめくり上げられ、白い花びらが咲いたように鮮やかに映える。
(おおっ!? ……やっぱりすっごい濡れてる)
ランタンの光に下から照らされて、少女の慎ましやかな女性器の形がはっきりと浮き出ていた。その上には金色の陰毛が鮮やかに透けて見えた。令息の鼻に少女の甘酸っぱい芳香が届く。
「はあ、はあっ……や、やり遂げましたわよぉ、おほほほ……」
花の蜜に誘われるように令息は手を伸ばし、白いベールに包まれた少女の可憐な花びらにそっと下から触れてみた。
「ひゃん!? あ、ああ、あああ……」
(おお、いかにも蕾という感じでプニプニしてる……)
指の腹がねっとりと湿った。
羞恥心を振り切ったはずのエリーゼは耳まで真っ赤にして涙目になって、あぐあぐと開けた口を震わせている。
なにを手に入れてなにを失ったのか、もはや自分でも整理がつかない状態に違いない。
少女の局部から手を離し、指を擦り合わせてみると、粘着質な糸が尾を引いた。
「お兄さま、わたしのスカートの中もご検分ください」
エリーゼの隣で、ロゼが含み笑いを忍ばせながらほんのりと顔を赤らめて、黒地のお仕着せを胸のあたりまでめくりあげていた。
ずいぶんと上の方までスカートを持ち上げたので、くびれたウエストを包むガーターベルトや、身長相応に左右に張った腰骨までもが露わになっている。
令息には自分よりも背の高い女中のこの腰の太さが魅力的に感じられてたまらない。しかも下からの光で照らされたロゼの股間は誘うように濡れているのだ。
ただこの血の繋がらない妹分の下穿きはウィルの精液がたっぷりと染み込んでいる。それに触れて少女の割れ目に擦りつけることに躊躇していると、
「お触りくださると嬉しいです」
「……か、代わりに、次は最初にロゼにお願いするから」
「承知しました、お兄さま。ご奉仕のお手本を見せるようにとの思し召しですね。ロゼは張り切ります」
いつのまにか、そういう手はずに決められてしまった。
令息がエリーゼとロゼの下半身をひととおり観察したのを見計らったように、
「次に披露させていただきます」
小柄なユーリがウィルの顔を見つめながら、するするとスカートをめくり上げはじめた。
異性の前でみだりに足を晒さないよう教育を受けた真面目な少女が、ほんのり顔を赤らめ自分からスカートをめくりあげるこの仕草には興奮がそそられる。
「ユーリはわりと平気そうだよね?」
「そうでもないです。理由はすぐにお分かりになるかと……うう」
この眼鏡の少女は眉を寄せ、持ち上がった黒地のスカートの裾が股ぐらを覗かせるあたりで、ぎゅっと目をつぶる。震える手を上に引っ張り上げた。
露わになった股間の布地は女性器の周辺がびっちょりと湿って変色している。その部分の布地を絞れば水滴が垂れるであろう。
やがて、その年子の姉もスカートをめくり上げはじめた。
「股だけ見せるって、結構恥ずかしいもんですね」
たははとナタリヤは笑いながら、白い長靴下に包まれた膝を露わにする。
レミアのようにスラリと足が長く、ふくらはぎはより筋肉質に発達していた。本気で蹴られたら骨でも折れそうだ。
「どうぞご覧ください」
赤毛の少女は手を止めることなく股の上までスカートをめくり、ランタンの火で照らされた自らの股間を少年の眼前に晒す。
露わになったドロワーズの股の合わせ目はしっとりと湿っており、赤い陰毛がその隙間からちろりと顔を覗かせていた。
令息は腰を屈めて年子の姉妹のそれぞれの股に手を伸ばす。
むんずと手のひらで、二人の女性器を布地の上から大胆に揉んでやった。
「ひゃんっ!」
「おおお……」
ユーリの方は、肉の小山を覆う布地から滴り落ちるように、べっとりと手のひらに温かい液体が付着する。
ナタリヤの方は、ドロワーズの合わせ目からはみ出したのか、赤い陰毛が手のひらの根元に触れ、温かく湿った秘肉の感触が指先をかすめた。
(二人ともかなり濡れやすい体質みたいだよね……)
それに息を呑む間もなく、
「ウ、ウィリアムさま。ど、どうか、わ、わたしのスカートの中もじっくりじっくり……はあ、はあっ……」
今度は黒髪の少女フランチェスカが鼻息荒くスカートをめくりはじめた。
苦笑を浮かべながら、そちらに視線を移したとき、露わになった少女の股下は広く隙間が空いており、ふとももの細さにぎょっと目を剥いた。
奴隷市場から屋敷に来たばかりの頃のソフィアよりもさらにずっと細い。関節が節くれ立っていて、ぽっきり折れてしまいそうに見える。
少年はわずかに黒い陰毛の覗く少女の痩せた股ぐらに手を伸ばした。
「ひゃっ!? うひひひ……」
目の下に隈のある少女は一瞬動揺しながらも喜びを示す。令息の手のひらに触れるその下穿きはしっとりと濡れていた。
(ちょっと骨ばっているかな。フランチェスカはとにかくもっと健康的に太らせないとね。せっかく素材は悪くないんだから……)
よくこれだけ痩せていて乳房がこんなにも張り出しているものだと思う。体型の変わりやすい思春期のアンバランスさ故なのかもしれない。
「こちらもどうぞ。お見苦しいかもしれませんが……」
そう言ってヴェラナが遠慮がちにスカートを持ち上げて、肉づきの良い下半身を晒してきた。
股の下の間は、左右のふとももでむっちりと塞がっており、下着はしっとりと湿っている。
この太く白い足の凡庸な色気にそそられる。
特にフランチェスカの下半身を見たあとだと健康的に肥えていて、なんだかホッとさせられた。
当然のように少女の下腹部に手を伸ばすと、「あっ」という短い感嘆のような声とともに母親似の肉厚な女性器の感触を布越しに感じることになった。
この一番最後のヴェラナをもって、六人の年若い女中たちが、伯爵家の令息の一つ目の指示をやり遂げたことになる。
低い足置きに腰掛けた少年の前で同世代の少女たちがスカートをめくり上げて並ぶ――それは未熟な花の蕾が一斉に開花しはじめているような、ぞくぞくと心踊る素晴らしい光景であった。
(まさに壮観としか言いようがない……)
異性の前でみだりに足を晒すことは淑女として恥ずべきことと教育を受けた少女たちの白い長靴下のふとももが十二本ずらりと並び、布地で包まれた六つの股が惜しげもなく晒されている。
おまけに少女たちのその下穿きは花の蜜でも垂らすように湿っていた。歳の近い少女たちがその青い性欲を少年に向けてきてくれているのだ。
それを受けて、令息は一つの実感をしみじみと口に出す。
「ぼくはこの屋敷の後継ぎとして生を受けて本当に良かった」
伯爵家の令息ウィルは、シャルロッテで教育を授かりなんらかの自己実現をするべく屋敷の門を潜った女中たちに向けて、胸に片手を添える。
「この屋敷に住まう貴族の誇りにかけて誓うよ。必ずきみたちを徹底的に使ってあげる。能力的な面でも性的な面でもね」
断固たる意思を込めて股間を突き立てながら口にしたウィルの言葉に、少女たちの長靴下の白い足がきゅうっと震える。
「待遇面はぼくの融通できる範囲で納得してもらうしかないかな。能力さえ示せば屋敷の実質的な家令にも執事にもなれるけど、あくまで本質はぼくに性的な面でも使われる女性使用人――身も心も捧げた女中であって、屋敷の外でも通じる公的な立場はなにも与えられないということだよ」
「十分すぎるほどですわ。わたくしたちは能力を証明する場がほしいのであって、社会的な名誉であったりご主人さまの愛人になることを望んでいるわけではございませんから。そ、それに、わ、わたくしは――」
エリーゼはやたらと形の良いふとももを擦り合わせ、ぎゅっと目をつぶる。
「能力を発揮するだけでなく、せ、性行為にも興味があります! 一生ご主人さまにお仕えする覚悟はありますが、殿方を知らずして行き遅れたくなどありません。知識だけ詰め込まれて実践する機会が与えられないなんて真っ平ですわ!」
ついに金髪の少女はそう言い切った。
一生主人を支えるよう求められる上級使用人――それを目指す少女は心残りないようにいまのうちに性交を経験しておきたい。同世代の少女の偽らざる本音であった。
ほかのシャルロッテの少女たちは、うなずいたり、うつむいたり、目線を逸らしたりと反応は様々であったが、眼前に並んだ思春期の股ぐらがいかにエリーゼと同意見であるかを雄弁に物語っていた。
(甘酸っぱさに頭がクラクラする……)
ウィルの方も少女たちの興奮に煽られるように、ピクピクと盛り上がった男性の象徴がズボンを揺らしていた。
少し落ち着かないことには、思春期の青い性衝動が暴発して下穿きを汚してしまいかねない。
「み、みんな、ひとまずスカートを戻してくれていいよ。今後もきみたちの股をあたりまえのように触ったりするし、ぼくがほかの女中たちのスカートに頭を突っ込んでいても驚かないように――」
多くの少女たちが両手を下ろす中、フランチェスカだけはスカートを上げたまま興奮が抑えきれない様子で痩せた内股をすり合わせ、その四白眼の瞳で令息のふくらんだ股間を穴があくほど凝視していた。
「はあ、はあっ……わ、わたしたちだけが下着をお見せして、ウ、ウィリアムさまが一枚も脱がないのは、ズ、ズルいです」
(え、ズルい……?)
この目の下に隈のある少女は、なにを言っているんだという周囲の呆れた視線をもろともせず、不思議そうに左右を見回しながらスカートから両手を離す。
「だ、だって、み、みんなウィリアムさまの裸見たくない?」
するとほかの少女たちは秘めたる欲望を指摘されたかのようにハッと目を見開き、少年の身体に舐めるような視線を向けはじめる。少女たちの性欲が受動的なものから能動的なものへと変わった瞬間であった。
「わ、分かった。ぼくも脱ぐから……」
令息は全面降参するように両の手のひらを見せて立ち上がると、いつも着替えるときの癖でベッドの前まで移動する。
「お兄さま、お脱がせさせてください」
「わたくしもお手伝いします!」
ロゼが前から令息の上着のボタンを外し、後ろに回り込んだエリーゼが脱がせる。そのまま紳士服の胴衣とシャツが脱がされた。
周囲の息を凝らす空気感の中、ロゼは上半身裸のウィルの足元に膝をつき、かちゃかちゃとズボンのベルトを緩めはじめる。途中で少女が顔を上げたので令息はうなずいてやった。ズボンが引き抜かれる。
肌着がどんどん剥ぎ取られ、あとは下穿き一枚だけとなったとき、布を突き上げる股間の周りにはシャルロッテの女中たちが輪になって顔を付き合わせていたのだ。
(なんでみんな、ぼくのあそこをかぶりつきで覗きこんでいるんだよ!?)
ユーリとナタリヤの年子の姉妹は腰を屈め、ウィルの股間に顔を寄せているし、フランチェスカなどはロゼの隣にしゃがんでおり、まさに鼻息のかかる間合いである。
背後に陣取ったエリーゼは、少年の裸の背中にその大きな胸を押しつけながら、肩の上に小顎を載せるようにして、ふくらんだ少年の下腹部を青い目で覗き込んでくる。
ヴェラナもちゃっかりと空いているスペースを見つけ、やけに指の隙間の空いた両手で目元を覆いながら野太い腰を屈めて顔を寄せてきた。
「お兄さま、お脱がせしますね。ふふふ」
ロゼが下穿きの左右に指をかけて躊躇なくずり下ろすと、またたく間に反り返った若い陰茎が勢いよく下腹に当たり、ペチンと大きな音を立てたのだ。
(うわああ、恥ずかしい……)
少年が羞恥で顔を赤くする中、少女たちは食い入るようにグイグイと顔を寄せてくる。
「まあっ、さすがはお兄さまです」
「なんと雄々しい。ここまでお元気なものですの!?」
「こんな大きいの本当に入るのかしら……」
「わはは、オトコノコですね」
「お、おおお! ず、図説で見たのと形が違う!?」
「…………んまあ」
最後のぽっと頬を染めたヴェラナの反応はなんだかんだで年増の性欲を匂わせるイグチナを思わせた。
(シャルロッテにぼく一人迷いこんで、裸にひん剥かれて、女の子の性的好奇心を満たすまで許してもらえないような気分だよ)
そんな中でも、ウィルの男性器は充血し、亀頭がパンパンに張りつめて揺れている。
シャルロッテの少女たちはこれまで自分たちの培った知識と照らし合わせるように、亀頭の溝や表皮のわずかな凹凸まで仔細に検分しはじめた。
「こ、これが夢にまで見た、お、男の匂い……いひひひ」
そんなもの夢に見るなよというウィルの思いをよそに、フランチェスカは鼻を寄せて思いきりすうっと息を吸い込んだ。少女の奇行に釣られるように、亀頭の表皮のまわりで複雑に空気が揺れ動く。
やがて誘い合わせたように張り詰めた亀頭の鈴口に視線が集まった。
令息は「そう。そこがおしっこと精液の出る穴なんだよ」と少女たちが感じているであろう疑問に心の中で答えを与えておいた。
「それでは、お兄さま、ご奉仕させていただきますね!」
それがウィルの二つ目の指示であり、ロゼが手本を見せる段取りになっていたことを思い出した。
この幼なじみの妹分は流れ落ちる黒髪をかきあげ、少年の天を突く陰茎にその可憐な顔を寄せると、周囲の少女たちはハッと息を呑んだ。
くぱっとロゼの桃色の唇が上下に開かれ、すぐに陰茎全体がねっとりとした乙女の体温で包まれる。
(あ、あったかくて気持ちいい……)
陰茎を取り巻くシャルロッテの少女たちが目を丸くしているのが見えた。
「あ、あのロゼが、ご主人さまのお持ち物を唇に……」
なかでもさきほどから少年の裸の背中に乳房を押しつけているエリーゼの衝撃は大きかったらしい。
ロゼは――周囲の少女たちに見せつけるためだろう――亀頭から唇をほんの少しだけ離した。鈴口がぴちゃりぴちゃりと舌で嬲られ、腰の先端に快楽が走る。
「んまあ!? 舌までお使いに――んぐ!?」
ウィルの肩に顔を乗り出して騒ぐエリーゼのかしましい色香に我慢ができなくなり、ロゼに咥えさせたまま振り向いてその桃色の唇を吸ってしまった。
もっとワタワタするかなと思ったが、初めて唇を交わしたときと違い、すっと長い金色の睫毛を伏せてうっとりと舌を絡み返してくる。
(おお、ぼくはロゼとエリーゼ、ライバル関係にある二人の唇と舌を同時に味わっているんだ……あっ、ロゼの舌がペロペロと尿道を……う、エリーゼの舌がぼくの舌をどこまでも追いかけてくる……)
敏感な身体の二ヶ所をそれぞれ別の意思で刺激され、精神的快楽と肉体的快楽の両面で打ち震える。
ウィルは寄る辺を求めるように両手をさ迷わせ、伸ばした先をギュッとつかんだ。
右手はヴェラナのたっぷんと柔らかい乳房である――散々揉みくらべたので感触だけで分かった。ロゼに咥えさせながら、ロゼのライバルの少女の唇を吸い、ロゼの親友の胸を揉んでいる。
そして左手はナタリヤの張りの強い胸である。右手のヴェラナの胸の方がやや大きく柔らかいだろうか。いずれにしても素晴らしい量感である。
エリーゼはウィルの股の間に膝を差し込みながら、もっとわたくしを見てくださいと言わんばかりにウィルの首に両手を巻きつけ、ねっとりと唇を絡ませてくる。
(ああ、もう、これ、たまんないや!)
しかも両手で触る胸は選びたい放題なのだ。ヴェラナから片手を離せば、今度はやや小ぶりなユーリの胸へと指先が触れ、濡れやすい年子の姉妹の乳房を揉みくらべていることになる。
「わ、わたしも、わたしも……」
フランチェスカの声が聞こえてきたが、どうも少女は深く屈みすぎていて伸ばした手が空を切り、結局わしづかみにしたのはヴェラナの大きな胸であった。
エリーゼの口内に舌を突き込み、ロゼの口内に男根を突き込み、ヴェラナの胸をわしづかみにする。
(もう我慢できない。出したい……)
それを察したロゼは、少年の腰骨の左右をつかんで顔を前後に振りはじめた。
(うおっ……)
快楽へ駆け昇る速度が一気に上がる。ウィルもそれに合わせて腰を振り、さらに加速させる。
グジュグジュと上下の唇がいやらしい水音を立てており、それぞれの粘膜を通じて、舌を絡み合わせているエリーゼからは負けまいとする対抗意識が、喉奥まで男根を差し込まれているロゼからは心底嬉しそうな感情が伝わってくる。
腰から背筋にかけてぞわりと前兆のような刺激が立ち昇り、
(うう、いきそう!)
背筋を震わせた瞬間、キュッとなにかが引き抜かれるような強烈な刺激――示し合わせたように同時に二人が――ウィルの上の口と下の鈴口に吸いついてきたのだ。
(ああ、あ、あ、ああ……いくっ!?)
青い性衝動が暴発し、若い亀頭の割れ目からドクンと最初の快楽の塊を放出させる。
(うう、気持ちいい、気持ちがいい……)
同年代の少女に囲まれながら、猛烈な快楽が脳髄を突き抜けていく。処女の視線に晒されながら、処女に唇と鈴口を同時に吸引されているのだ。かつてこれほど衆人環視の元、射精をしたことがあったであろうか。
どくんどくんと陰茎が律動し、ロゼの唇の輪の中に少年の精液が飛び込んでいく。それも何度も何度も――
やがて射精がゆったりとしたものへと変わり、とくんと最後の一射をロゼの口内に放ち終えて陰茎の痙攣が治まった。
「ぷはっ、はあ、はあ、はあ……」
エリーゼから唇を離すと、濃い唾液の橋が架かった。
受け口となってくれたロゼを見下ろすと、ちょうど亀頭の鈴口から唇を離すところで、離れ際にチュッと音を立てて尿道に残った精液が吸い上げられる。
ロゼは微笑みながらウィルを見上げ、少し頬のふくらんだ唇をくぱっと開いた。
(うわあ、五回目の射精なのにまたこんなにいっぱい出しちゃったんだ……)
ロゼの口内に溜まった精液の沼を見下ろし、自分に呆れるような心持ちである。
口の中を周囲に見せびらかすロゼの顔は、うっとりとしており誇らしげですらあった。
この幼なじみの妹分は、令息がうなずくのを待って嬉しそうに喉を鳴らして白濁を飲み干したのだ。
「ご、ご主人さま、どうかわたくしも!」
たまりかねたように、ぎゅっと後ろからエリーゼが強く抱きついてきた。
射精した直後なので拙速にすぎる――そう思いながら令息は振り向いて、少女の桃色の唇に自身の唇を重ね、余韻に浸る猶予を確保する。
「んぷっ…………んーんー」
なおもエリーゼは青い目を見開いたまま舌をぐっぐっと令息の口内に突き出してきた。次は自分が奉仕をする番だと主張しているようだ。
(シャルロッテの子たちって、ホント序列にこだわるよなァ……)
令息は唇を合わせたまま、うなずいて了承する。
「お兄さま、あぶれていたフランがお咥えしようと狙っておりますが、次はこの子でよろしいのですか?」
(へ?)
「あ、図説で見たのと同じ形になった。じゃ、じゃあ、し、失礼しますね……えへへへ、あーん……」
口内からエリーゼの舌が一瞬でしゅぽんと引き抜かれた。
「フラン、お待ちなさい!」
目の下に隈のある少女が大口を開けて、まだ萎んだままの少年の男根を呑み込もうとした瞬間、その額がエリーゼの手によってすぱーんと大きな音を立てて叩かれたのだ。
「おほほ、抜け駆けなど許しませんことよ!」
黒髪の少女はぎゃんと悲鳴をあげながらゴロンと後ろにひっくり返り、その隙にエリーゼは素早くロゼの隣を確保する。
可哀想なのでフランチェスカの手を引っ張って助け起こしてやったら、いつのまにか少女たちは綺麗にシャルロッテの序列――ロゼ、エリーゼ、ユーリ、ナタリヤ、フランチェスカ、ヴェラナの順に並んで膝をつくことになった。
とりあえず先約のあった金髪のエリーゼに咥えさせようと、萎んだ陰茎の垂れさがった腰を眼前に突き出す。
すると、金髪の巻き毛の少女は青い目を寄り目にして、ぐぐっと次第に起き上がりはじめるそれを凝視し、本当にいまさらのように動揺しはじめた。
「ちょ、ちょっとだけお待ちください。こ、心の準備が……」
フランチェスカをはっ倒しておいて心の準備もあったものではないのだが、この背伸びしたがりの小娘臭さがそそられる。
「し、深呼吸をさせてくださいまし! すーはーす――うぷっ!?」
射精後のまだ敏感な濡れた粘膜に鼻息をかけられ、たまらず腰を前に押し出してしまった。
すでにかなりふくらんだ亀頭が少女の桃色の唇に触れて、上下の唇の粘膜と擦れ合うように、歯の隙間をねっとりと進んでいく。
口内で次第に体積を増していく陰茎に、金髪の生娘は涙目になって目を回していた。
(おおお、気持ちいい。ロゼの向こうを張っていた子の口の中に初めて押し入る征服感って、やっぱりたまらないものがあるよ!)
ウィルはエリーゼの金髪の後ろ頭をつかみ、ゆっくりと腰を押し進めていく。たっぷり時間をかけて愉悦を満たしながら少女の喉奥に到達した。
「ほらエリーゼ、これからは上手くぼくのことを立てて舌で転がせるようにならなきゃね?」
伯爵家の令息がそう口にすると、シャルロッテの次席の少女は、その青い目をハッと見張った。
「奉仕の上手い子ほど、ぼくの女中としての適性があると思うんだ。ぼくは女の子に咥えてもらうのが好きだし、やっぱり自分を気分良く気持ち良くさせてくれた子に報いたくなるもの」
そのように補足を加えると、金髪の少女は目を閉じてねっとりと舌を絡みつけはじめた。全神経を集中させて陰茎をねぶっているのが伝わってくる。
しばらく金髪の処女の舌の感触を味わい、やがてゆっくりと引き抜いた。
「はあ、はあ、はあ……ご主人さま、ご指導ありがとうございました。今後わたくしの唇はいつでもご自由にお使いください」
この切り替えの早さと理解力の高さがエリーゼの美点であろう。ウィルとしても上手く仕込めた手応えのようなものが感じられた。
「次はユーリ、咥えてくれるね?」
「はい。承知しました」
栗毛の小柄な少女がそっと唇を上下に開く。
(おお……)
少年の陰茎がちゅぱっと音を立てて温かい粘膜に包まれた。
真面目そうな眼鏡の少女に咥えさせる情感に浸っていると、口に含んだままちろりちろりと丁寧に亀頭の溝が舐められる。
あまりのスムーズさにあれっと驚いていると、今度は自分から顔を前後させはじめた。
「ユーリ、なんか妙に手慣れてない?」
「んん……ぷはっ。はい。さきほどからロゼとエリーゼの奉仕を見ておりましたし、以前からシャルロッテの艶学の授業で習ったあと、何度も、その、野菜で練習しました。きゅうりとかで……」
(きゅうりとか……)
この真面目そうな眼鏡の少女が部屋で一人、きゅうりに舌を這わせて艶学の復習をしている場面を想像して、なんとも言えない気持ちになってしまった。
続いて、引き抜いた男根をその年子の姉である赤毛のナタリヤの唇に向ける。
「不真面目なあたしの方は練習をした経験すらないです。下手くそでもどうかご容赦ください」
そういえばナタリヤと唇を重ねていなかったなと思い出し、腰を屈めかけるが、このそばかす混じりの少女に手で制された。
「兵士に無理やり唇を奪われたことがありまして。そんなふうに気を使われたら、むしろ申し訳ないです。唇を吸いたくなったときに使ってやってください」
結局、口づけを交わすより先にナタリヤに咥えさせることにした。亀頭を少女の唇の表面に押しつける。
初めてユーリに咥えさせ、乾く間もおかずに一歳年上の姉に咥えさせていると思うといっそう興奮する。
「ナタリヤ、唇を窄められる?」
少女の唇がウィルの陰茎をキュッと締めつけて抵抗感を形づくる。そこにググッと深く侵入させる。亀頭が喉奥に軽く当たった。奥まで挿し入れた満足感がある。
「いつか、ちゃんと口づけしてあげるからね? ぼくが吸いたくなったときに」
するとナタリヤは陰茎を咥えたまま、微笑んだのであった。
引き抜いた男根に、次の少女が物欲しげな視線を向けていた。
「やっと、やっと、わたしの番……はあ、はあ、はあ」
四白眼の少女フランチェスカは、自分のスカートの股に手を突っ込んでおり、明らかに自分の秘所を自分で慰めているのが分かるような手の動かし方をしていた。
(うわ、同年代の女の子がぼくの目の前で自分からあそこまさぐっている!?)
内心で結構動揺しながら、少女の唇に亀頭を近づける。
すると舌が伸びてきて、ペロペロと舌先で舐めはじめた。
(ひゃっ!?)
予期せぬタイミングの刺激に背筋をぞぞっとさせながらも、少女の頭を両手でつかみ、男根を口内にゆっくりと沈みこませる。
「ふがっ……ふーはー、ふーはー」
咥えたままフランチェスカは鼻で呼吸をする。熱い鼻息によって少年の陰毛がくすぐられた。
その間も少女は、自らの股ぐらをいっそう激しくまさぐり続け、ぴちゃぴちゃという水音がスカートの中から聞こえてくる。
(うああ、ぼくのものを舐めてオカズにしているよ……歳の変わらない子にやられると生々しさが凄いな)
やがて喉奥に到達したとき、少女はうえっと軽くえづいた。
だがそれでも不快感よりも興奮が上回るのか、股を動く手は止まらないし、さらに深く喉の奥に導き入れようとしてくる。
ウィルが引き抜きはじめると、引き止めるようにキュっと吸引してきた。頰が窄められ唇が伸びている顔でウィルを見上げてくる。処女が浮かべてはいけない凄まじい表情をしていた。
そして、スポンと大きな音を立てて抜けたのである。
(な、なんか、圧倒されちゃった)
そう感じていたのはどうやらウィルだけではなかったらしい。
「ロ、ロゼ、お願い。あんな風に上手くできない。不安だからアドバイスして……」
なんと次のヴェラナが心細そうに、ロゼの方に手を伸ばして助けを求めていた。
「お兄さまさえ差し支えなければ」
「う、うん、べつにいいよ。いいけど……」
ロゼはヴェラナの横に這い寄る。二人はそっと手を繋いだ。
(こういうのってシャルロッテ特有なのかな……)
まるで告白するのに付き添いを頼むような仲の良さで、ヴェラナが奉仕の助言をその親友に求めたことに、改めて歳の近しい少女の集団と性的に絡む生々しさを意識させられた。
(あ、そうだ――)
ふと思い出し令息は腰を屈める。少女の厚ぼったい唇に自身の唇を無遠慮に重ねた。
そのままぬるりと舌を差し入れる。いまだ固まっているのかヴェラナは為されるがままを受け入れていた。
(そういえば、イグチナの舌もこのくらい肉厚だったなァ……)
そんなことを思いながらチュパっと唇を離した。
軽い気持ちで唇を合わせたのだが、肉体関係のあるイグチナの娘の初接吻をもらうというのは思った以上に興奮させられるものがあった。
「え? いま、わたし、ウィルさまと口づけした……」
「ヴェラナ、良かったわね?」
横から見守るロゼの桃色の瞳は、宝石箱のようにキラキラと輝いていた。
ウィルに対する愛情と劣情、ヴェラナに対する友情、友人の奉仕を見守る性的興奮――それらすべてが無理なく成立している不条理を感じずにはいられない。
座っているロゼの親友の少女に裸の腰を近づける。男根を突きつけ、ぬるりと唇の隙間に亀頭を差し入れた。
「ほら、お兄さまを舌でお出迎えするのよ」
ロゼはヴェラナの頭の後ろに手を添えながら指示を出す。
イグチナ似のあの厚ぼったい舌が亀頭の表面をぴちゃりぴちゃりと舐めはじめた。
「くっ……」
初めてなので下手くそだが、イグチナに咥えさせた感触が脳裏に蘇ってきてゾクゾクする。
一方は手になじんだ古道具のようであり、もう一方はその古道具によって産み出された新品なのである。
「そうそう。今度は強めに吸いついてごらんなさい。喉に当たるくらい強く呑み込むのがお兄さまのお好みだわ」
ロゼはやたらポイントを押さえた指示を飛ばしてくる。
そのまま腰を押し出し、ぬるりと亀頭が奥深く侵入していく。
「ヴェラナ、もっと奥まで飲み込めますわ。もう少しだけ頑張りなさい。そうそう、そう! それでいいの!」
なぜそうまでして初めて男根を咥える親友の喉奥を突かせようとするのか――
(おっと……)
ヴェラナがえづく気配がしたので、あわてて男根を引き抜いた。
少女はケホケホと軽く咳き込みながら、どうでしたかという目でウィルを見上げてくる。
「うん、よくやってくれた。ロゼの助言も良かったよ。ありがとう」
屈託なくそのように返事をしてしまうあたりが、ウィルがこの屋敷の主人たる所以かもしれない。
とにかく、こうしてシャルロッテ出身の屋敷の女中全員に咥えさせることができた。
いまこの令息が思うことはただ一つ――
(挿れたい。とにかくあそこに挿れたい。膣に出したい)
銀狼族の神子ソフィアを相手に散々感じたことであるが、どうしても膣口に挿入し、膣内に吐き出さないと女中を手折ったという最後の手応えや達成感が得られない。
周囲を見回すと、一列に並んで座っていた女中たちがぐるりと輪になってウィルを取り囲んでおり、床に置かれたカンテラに照らされた陰茎が時計の針のように突き出していた。
シャルロッテの女中たちは、ウィルの亀頭がだれに向けられるのか固唾を呑んで見守っていた。
「よし。今日のところはヴェラナに相手をしてもらおうかな?」
一瞬の空白が訪れる。
「ちょ、ちょっとお待ちくださいまし。な、なぜ、ヴェラナですの!? てっきり最初はわたくしかロゼのどちらかかと思っておりました」
「だっていま避妊の準備が整ってるのヴェラナだけだもの。せっかくトリスが用意してくれたんだから」
「え、避妊というと、あのトリスさまに飲まされたあの、すぐに効かないとかいうお薬ですか……避妊具ではダメですの!?」
「やるからにはなにも着けずに気分よく中に出したい」
令息は臆面もなく断固としてそう主張する。
自分の性器を仔細に観察され、臭いまで嗅がれたのだ。絶対にこの少女たちの膣内で射精してやらないと気が済まない。
「……あ、あの、わたしなんかで本当にいいんですか!?」
選ばれた当のヴェラナは驚き、あわてふためいている。
「うん。全然大丈夫。昔からぼくのこと好いてくれるし、ぽっちゃりした子の初めてってまだもらったことなかったんだ。それにイグチナの娘だしね。母娘そろってぼくに身を捧げてくれるんだから大満足だよ」
「ウィ、ウィルさま……」
「お兄さまはヴェラナをお選びになるだろうと思っておりました」
どちらかというとかなり好き勝手なことを言っているつもりだが、なぜかヴェラナは感動した様子であり、それをロゼは慈愛のこもった瞳で見つめていた。
「ということは――」と、ユーリが顎に指を当てながら切り出す。
「わたしたち、今日のところはお手つきなしってことですかね?」
ウィルはどうやって穴埋めしようかと考えながら、コクリと首を縦に振る。
「まるでヴェラナに負けたみたいで納得がいきません。不本意ですわ!」
「あたし、実のところやる気満々でした」
「姉さんほどではないですが、恥ずかしながらわたしも……」
「ええー!? ズ、ズルい、ズルい、ズルい!」
身体をまさぐるだけまさぐって火のついたところで放り出そうとしているのだから、そりゃ少女たちは不満に思うだろう。
「さあ、お兄さまのお楽しみの邪魔にならぬよう自分たちのお部屋に戻りましょうか」
「はあ、はあ、はあ……ウ、ウィリアムさま、わ、わたし、あそこがもう収まりがつきませんよォ! こ、この身体の火照りどうすればいいんですかァ!?」
「フラン、今日のところは自分で慰めなさい。わたくしも自分で処理します」
恥ずかしそうに頬を赤らめながらエリーゼがすっと立ち上がり、ほかの少女たちも黙って追随する。
実のところ屋敷に帰ってきてからすでに五回も達しており精力的にもそろそろ限界で正直ホッとしていた。
てっきりこのまま二人っきりになる流れかと思っていたら、立ち上がりかけたロゼの手をぎゅっと握ってヴェラナが思わぬことを口にしたのであった。
「ロゼ、お願いだからわたしを置いてお部屋に戻るなんて言わないで。わたしはみんなほど綺麗じゃないから、さっきみたいにどうしたらいいか教えてほしいの。せっかくご指名くださったのだから、ウィルさまにはできるだけご満足いただきたいわ」
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第六十五話「シャルロッテの女中たち(下)」へのコメント:
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