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第六十一話「耳年増の小娘の奉仕」
裸で立ち上がったウィルに対し、頭半分ほど背の高いロゼはいかにも初心な小娘らしく肩を縮めて恥ずかしそうに両手で目元を覆い隠し――
その実、しっかり指の間から、興奮で小刻みに揺れる少年の張り詰めた亀頭に、見開いた瞳を向けていた。精の出る鈴口を凝視していると言ってよい。
「ロゼが若いときのトリスにそっくりなことについ取り乱しちゃったんだ。ロゼには失礼な話かもしれないけど……」
そう言い訳をするウィルに、ロゼはようやく自分の顔から指を離し、首を振った。
「お兄さま、わたしに失礼とか一切気にしなくて大丈夫ですわ。お望みならいまのトリスお姉さまとまったく一緒の髪型にいたしますので」
「え? ロゼが髪型まで一緒に……!」
頭の後ろに三つ編みを巻いたロゼを想像したら興奮のあまり少年の屹立が揺れた。すると、少女の桃色の瞳もそれを追いかけるように揺れた気がする。
「そ、そこまでぼくに合わせなくてもいいんだよ?」
「わたしは、お兄さまの求める肉の器に成りたいのです。はあっはあっ、お兄さまのお望みどおりにするのがわたしの望みですわ」
「に、肉の器って、ロゼは本当にそれでいいの? あのね、これが引き返す最後のチャンスかもしれないよ?」
勃起した性器を露出させておいていまさら引き返すもあったものではないのだが、ついそう尋ねてしまう。
「せっかくここまで漕ぎ着けておいて、いまさら引き返すとかありえません! 絶対に絶対に嫌ですわ!」
血の繋がらない妹は癇癪でも起こしたようにブンブンと首を振り、足を踏み鳴らす。少年の顎の下で大きな胸も揺れた。
「わたしが何年かけたとお思いですか? 避妊の準備が整うまではまだ数日かかりますが――ようやく、ようやく、お兄さまに抱いていただけるようになったのですよ!?」
少女の感情が迸る。
「マイヤにお手つきしておいて、わたしだけいまさら駄目とか、あまりにあんまりではありませんか!?」
(たしかに、それを言われると弱い……)
幼少期に赤毛の幼なじみと張り合って、壁に相合い傘の落書きをしていた少女なのだと改めて思い出した。
こうしてごく稀にロゼが感情を爆発させることがあるが、実のところ令息は嫌ではない。いつもずっと良い子でいてくれる妹が、珍しくわがままを言っているような気分にさせてくれるのだ。
「――あのね、ロゼは分かってると思うけど、こう見えてぼくは結構独占欲が強くてね。もしぼくが唾をつけたらもうロゼは結婚もできなくなるし、一生、ぼくに仕えてもらうしかなくなるよ?」
トリスとはいつでも抱かせてもらえる生涯契約を結んだし、友情を性の捌け口にされたマイヤも事実上そのような状態にある。ロゼは――
「それこそ望むところですわ。わたしの目指す上級使用人は結婚などせずに一生主人に仕えるものと相場が決まっております」
なにを当たり前のことをと言わんばかりであった。
たしかに、住み込みで主人の家族の世話をしていたら――同じ屋根の下で使用人どうしの結婚でもして、それが主人に認められない限り――自分の家庭など持てようはずがない。
ロゼの言うとおり、上級使用人の中でも女中長ともなると、人生を犠牲にしたより一層の献身が求められるのである。
ウィルは素足で絨毯を踏みしめながらギュッと目をつぶって、自分をぶちまける心の覚悟を固めた。
「ロゼ、しかもぼくはね、女の子一人だけじゃ満足できないんだ。周りに可愛い女中たちがいたら、マリエルの伝言とかそんなの関係なしにお手つきしたくなる主人なんだ。ぼくは自分が将来迎える奥さんと幸せな家庭を育みながら――もっと明け透けに言うと自分の妻を抱きながら、ごく当たり前にロゼと――ううん、ロゼだけでない、他の女中たちに夜伽を命じるつもりでいるよ? それでもいいの?」
そんな令息の内心の吐露に対して返ってきたのは――
「まあ、お兄さま!? はあっ、はあっ……ようやく、ようやく、お兄さまが剥き出しの欲望をわたしにぶつけてくださいましたわ!」
爆発的な少女の歓喜と興奮であった。
「あれ? 最低だとか思わないの……?」
「最低どころか最高ではないですか。女中に指一本触れていただけない主人にお仕えするなんて、わたしには耐えられませんもの。この身体にお手つきさえしてくださるなら、お兄さまが何人女中を手込めにしようが一向に構いませんわ」
(ええ……!?)
少女の外見は若かりしころのトリスに瓜二つであるが、割り切りようといい性癖といい、どうやらその内面はウィルが想像した以上にトリスにそっくりであるらしかった。
「お兄さまが好きなときに好きなだけ女中をお抱きになるのは、もういまさら当たり前の話ではありませんか? わたしもこのお屋敷で好きなだけ女中をお抱きになって日々満足されているお兄さまのお顔が見とうございますわ」
少女はそう言ってのけた。
たしかにいまさらな状況なのだが、そこにロゼのように血が繋がっていなくても兄妹の情が混ざると色々生々しい。女中どうしが血縁で結ばれているとなおさらである。
「あ、あの、それなら白状するとね。ついさっきトリスとは一生好きなときに好きなだけ抱かせてもらう契約を結んだんだ」
「さすがはお兄さま! つまりはなにがあろうともトリスお姉さまを屋敷に繋ぎ止めることに成功なさったというわけですね?」
自分の肉親を一生性の捌け口にすると表明されておいてそのように返事をされたとともに、ロゼがたちどころに話の要点を理解したことに驚いた。
「避妊薬作りなど現状トリスお姉さまにしかできない仕事もありますから、女中長を辞めるくらいなら屋敷から出て行くと言い出されたら、非才のわたしにはお手上げでした」
(避妊か……)
その話が出たことで改めて、トリスを孕ませたいという願望を強く抱いたこと、そしてソフィアを孕ませないことには銀狼族の血が絶えてしまうことを思い出した。
「ロゼ、正直に言うよ。何人かのお気に入りの女中については子を産ませたいと考えているんだ」
「まあ!?」という言葉とともに、少女の桃色の瞳が見開かれた。
「つまり、その最大の障害となるトリスお姉さまには懐妊してもらうおつもりなのですね?」
すぐさま勘の良い質問が飛んできて令息は舌を巻く。一瞬、躊躇いかけたが、この少女にはもうすべてを話すと決めたのだ。
「――うん。トリスについては絶対に孕んでもらいたいと思ってる。妻を迎えて家庭を持つ前に、まずトリスに子供を産ませてその予行演習がしたい。女中に産ませた子を認知して正式な家族にすることはできないんだけど、本当の家族であることには変わりがないよ。みんなにたっぷり愛情を注いだ幸せな大家族にしたいな。それには女中長になったロゼの全面的な協力が必要になるんだ」
それを聞いたロゼの瞳は、ぐるぐると目まぐるしく表情を変えていた。驚き、興奮、戸惑い――そのあたりまでは読み取れたが、それ以上は複雑すぎて分からない。やがて――
「お兄さま、もちろんお望みどおりにさせていただきますわ! ああ、わたしのこの胸にはいろいろな感情が渦巻いており、少しだけ深呼吸させてくださいまし」
ロゼはグッと指を沈みこませた大きな胸とともに細い肩を何度かすーはーと上下させ、気持ちを落ち着かせているようだ。
「まず、お兄さまがわたしを必要と仰ってくれたことに対して大きな喜びを感じております。そしてお兄さまの一番お役に立てる女中に――女中長になる道筋がはっきり見えてきたことに強い希望を抱きました。トリスお姉さまが孕んだら、代わりの女中長を立てる必要がありますもの」
ウィルは頷いた。
短期間でロゼがトリスを追い落とすとなると、それしかないと思っている。
「お兄さまの家族計画に尽力できるのは望外の喜びなのですが、ただトリスお姉さまがお兄さまのお子を産むとなると、どうして自分は両親の愛情を受け取ることができなかったんだろうという答えの出ない疑問に改めてぶつかります」
そう言って、ロゼは表情を曇らせる。
「ああ、そうだよねえ。ぼくも両親の愛情を知らずに育ったから共感できるよ。代わりにたっぷり屋敷の女中に愛情を注いでもらったけどね」
「わたしも分不相応なほどたっぷりお兄さまに目をかけていただきました」
なんだか感傷的な空気になったが、令息が陰茎を膨らませたまま少女の前に立ち続けていることには変わりがなかった。
「それでお兄さま、わたし考えたのですが、トリスお姉さまがわたしのお母さまかどうかはお兄さまが決めてくださいませんか?」
「へ? どういうこと?」
なにを言われたのか一瞬分からなかった。
「もし、お兄さまがそのようにご判断なさるなら、わたしは一生心の内でトリスお姉さまのことをトリスお母さまだと思うことにいたします。トリスお姉さまが子供を産んだら、その子は弟か妹ということになりますわ。わたしはお兄さまのご判断を信じます」
「そんな大事なことをぼくが決めちゃっていいの!?」
ほとんど悲鳴を上げんばかりであった。
少女の人生の根幹に関わる重い判断をまるっと託されたのだから、そうも言いたくなろう。
「大事なことだからこそお兄さまに決めていただきたいのです。マリエルの伝言にも書かれていたそうではないですか? 『あなたさまはあなたさまが正しいとお感じになる道をお進みになればよろしいのです』と――ならば、もしお兄さまがわたしのことをトリスお姉さまの娘だと判断されたら、それが正しい道なのです。悪いように転がらないという裏書きが得られたようなものですわ」
「――そうか、マリエルの言葉をそういうふうに捉えることもできるのか……」
感心した――というか呆気にとられた表情を浮かべていると、
「それに、わたし個人としても――幼いときからそうなのですが、お兄さまにお決めいただいたことなら、すんなりと受け入れられるのです」
この幼少期に一方的に妹だと決めつけられた少女は、黒地のお仕着せの胸に添えた指をググッと沈み込ませ、令息に同意を促してくる。
昔とは比べものにならないくらい指が深く沈み込むものだと思いながら、ウィルは考える。
「うん、分かったよ。そこまでロゼが望んでくれるならぼくが決めてあげる」
意外にためらうことなくその言葉が口をついて出てきた。
いまのところ判断材料になりそうなのは、イグチナとヴェラナの母娘の味の違いを確かめてみること、そしてロゼの身体を――どこまでいってもお手つきでしかない。
それが分かっているのか――
「ありがとうございます。わたしはお兄さまの舌を信じますわ」
ロゼはにこりと微笑むと、スカートの左右を摘まんで膝を折り、そのままぐぐっとウィルの方に大きな胸のついた華奢な上体を被せてきた。
「あとは、わたしがもうどこにもお嫁に行けないよう、お兄さまに唾をつけていただくだけですね? 避妊具をつけて最後までしていただいても構いませんし、そうでなくても生娘なりに味見していただく術がお兄さまにはおありだと思います。はあっ、はあっ……」
(うう……)
笑顔の奥に潜む――これ以上一歩も引かないし、撤回なんかさせませんという少女の気迫が凄まじい。
ウィルとて、ここまで来たらロゼの期待に応えてあげるべきだと思っている。
令息は、トリスと同様に女中服の白いエプロンの左右からはみ出したロゼの胸に、おそるおそる両手を伸ばした。
「さ、触っていいんだよね?」
「お触りくださいっ!」
屋敷には胸の大きな女使用人たち――トリスやアラベスカ、イグチナやリッタなど――が多数いるけれど、同世代でここまで大きな胸はロゼや――それからロゼの連れてきたシャルロッテの卒業生たちが初めてである。
手を伸ばして指先が黒地のお仕着せの胸の張り出しに触れた。
びくんと少女は身体を震わせる。
男を受け入れたことのない少女の胸は少年の指先を押し返す。トリスとの感触の違いに興奮する。たまらず少女の胸を両手でわしづかみにした――ぐにゃりと指の形に変形した。
(うわ、柔らかくて、ハリが凄い!)
布越しでもそれが分かる。体温と胸を上下させる荒い呼吸を通じて、胸を握られる少女の方の興奮も伝わってくる。
数刻前に三十路近いトリスの胸を真正面からわしづかみにし、いまやその血縁者――おそらく十中八九その娘である少女の大きな乳房を同じようにわしづかみにしているのであった。
胸のサイズこそ今のトリスに及ばないが、それでも十分すぎるほど大きく、十年以上も過去に遡って処女のトリスにお手つきし直しているような錯覚すら覚える。
男を知らない新雪のような処女地を踏み荒らすあまりの興奮に、少年の限界まで張り詰めた亀頭が空撃ちでもするようにビクンビクンと跳ねた。
「あああ、お兄さまの方からわたしの胸をこうして触っていただける日が来るなんて! はあはあっ……」
少女にとってもよほど感慨深いらしく、指が深く沈み込むほど胸をつかまれながら、内股気味になってウィルに覆い被さるように息を荒げ、身を委ねている。
そんな感極まったロゼの桃色の唇に、令息は少し踵を上げて、自らの唇を寄せる。
「口づけして良いよね?」
「はい! もちろんですとも!」
目の前の、とんでもない美少女がその瞼を閉じ、唇を差し出してきた。
少年と少女の唇が柔らかく交差し、互いの粘膜が触れ合う。ただそれだけの稚拙な口づけ――だが、
(ああ……)
禁じられていた遊びに耽る背徳感に、そのまま達してしまいそうなほど心が昂ぶっている。少女に至っては、落雷でも受けたかのようにブルブルと身体を激しく震わせていた。
あまりの過敏な反応に思わずチュパっと唇を離し、少し心配して少女の顔を窺ったとき、
「ロゼ? わっ」
潤んだ少女の瞳がうっすらと開かれ、少年の背中に両手が回され、引き寄せられるように強く抱きしめられた。
少年少女の身体が隙間なく密着し、わしづかみにした胸にさらに指が沈み込む。
勃起した男性器がロゼの股のあたりに刺さるように当たる――股の間を通過したトリスと違い、それがロゼとの身長差である――妙に湿っぽく、ぐじゅりと音がした気がした。
ウィルの顔を追いかけるようにロゼの顔が近づいてきて、啄ばむように唇が重なる。
(わっ、わわ……)
少女は、チュッチュッとただ唇を押しつけるだけの口づけの雨を絶え間なく降らせてくる。少女は興奮のあまり気持ちの抑えが効いていないようであった。
(初めてのときのぼくもこんな感じだったのかな?)
令息は経験を見せつけるようにロゼの唇の間に舌をねじ込み、口内を大きく掻き回す。すると、少女はビクッと固まりじいんと顎を震わせたあと、寄り添うように舌を合わせてきたのだ。
トリスに比べると圧倒的に年季の足りない舌使いではあるが、とにかく瑞々しさがある。
さきほどより落ち着いたのかウィルの背中に回していたロゼの手が少年の腰に添える程度に緩められ、好きに手を動かせるだけの隙間ができた。
(直におっぱいが触りたいな)
唇を触れ合わせたまま令息はロゼの前のボタンを外す――邪魔なエプロンは脱がしてしまった――胸元をはだけると肩が露出し薄手のスリップの肩紐を外す。
そうして露わになった少女の白い木綿の胸当てに手のひらが触れる。何度か下着ごしの感触を楽しんだあと下着を下にずらす。
すると、すぐさま抑えつけられていた乙女の胸が、ウィルの手のひらから溢れ出すように零れ落ちる。
(トリスほどではないけど、それでもやっぱり、おっきいな。マイヤとは比べものにならない。これがもっと大きくなるのか……)
しっとりと指になじむ女中長の肌と違い、ロゼの肌は水を弾くような弾力がある。
そのままギュッとわしづかみにした。まだ少し青く、丸々実った大きな果実にかぶりつくこの感触がたまらない。
これはマイヤの小さな乳房では味わえなかった量感であろう。
(はあっ、はあっ)
舌を絡ませながら、何度も何度もロゼの胸を揉む。つい強く握りすぎてしまっているかもしれないが、ロゼの閉じた睫毛が身を委ねるように震えており、そこまで痛みを伴う刺激があるわけではなさそうだ。
だが、指先が尖った乳首に触れた瞬間――そこはかなり敏感なのか、少女はビクッと肩を震わせて、ウィルの口内はちゅうっと強く吸われた。ロゼが乳首を硬くしている――その事実があまりにも生々しい。
(この乳首を吸いたい……)
そう欲して唇を離すと、唾液の橋がかかる。
令息が顔を下げる途中、少女の白く細い喉が、荒い呼吸をつきながらゴクリと鳴ったのが見えた。ウィルの唾液が呑み込まれたのだ。
少女の鎖骨の下には大きな胸がはだけており、黒地のお仕着せに同世代の少女の白い柔肌が目に鮮やかに映る。
(ああ、綺麗だな……この若さでこんなに大きいんだ)
ロゼの乳首は――幼少期に散々ウィルに吸い散らかされ色素の沈着したトリスの乳首と違い――薄い桃色をしている。まだ発育途上なのか乳輪はトリスほど広がっておらず興奮状態でも乳首はトリスより少し小さい。
ピンと尖ったそこに吸いついた。未成熟な少女の甘酸っぱい味がたっぷり口の中に広がる。さらに周辺の柔肉ごと思いきり口の中に含んでみた。
「ああ、お兄さまがわたしの胸を吸っていらっしゃる!?」
これだけ強く吸いつくと乳房全体が引っ張られるものだが、年増の女中たちと違い、張りと弾力がありすぎてそこまで簡単に伸びたりしない。
(はあ、はあ。歳もそう変わらない女の子のこんなに大きなおっぱいって初めてだよ)
ソフィアやマイヤなどは、淡い胸をあまり強く吸いすぎると乳首だけが引っ張られて、なんだか妙に痛々しかったのだ。
唇を離すと、見るからにジンジンしているロゼの乳首には、滴り落ちるようにウィルの唾液が絡みついている。
そして反対側の乳首にも吸いついた。
「あ、あん!」
少女特有の少し硬さの感じる乳房を両手で思う存分揉みながら、舌を絡みつけ吸いつき味わう。その度にロゼは身体を震わせ反応してくれる。感度も良いみたいだ。
ふと気になって、豊満な胸の谷間からロゼの顔を見上げる。
「もちろん唇を吸っていただいたのも胸を吸っていただいたのもお兄さまが初めてですわ?」
なにもロゼが他の男と接触しているのを疑っているわけではないが、ちょうどそれが知りたかった――少女は言葉を続ける。
「シャルロッテでは、女王蜂争いを勝ち抜くために女どうしで身体を許し結束を固める校風もありますが、触れさせておりません。わたしの初めては全部お兄さまに取っておきましたから!」
改めて随分と大変な場所にロゼが行っていたものだと実感した。
唇、胸と来たら、次は馬車の中でも目撃した少女の股ぐらが気になって仕方がない。
令息は後ろのベッドに腰をかけ、顎の下で指を組んだ。
「ロゼ、スカートを持ち上げてくれない?」
おおよそ歳若い少女にするには最低な要求であろう――だが、一応ウィルにも言い分はある。予言の神巫マリエルに女中のスカートの下に隠れるように伝えられているのだから、やるしかない。
ロゼは静かに頷くと、やがてスカートの裾がゆっくりと上に持ち上がりはじめ、白い長靴下に包まれたふくらはぎのあたりまでが部屋の空気に触れる。
ふと、スカートを摘まむ少女の指が軽く震えていることに気がついた。淑女にとって足を異性に見せるのはとても恥ずかしいことであり、シャルロッテで学んだ礼儀作法にあるまじき振る舞いをさせているのである。
「ロ、ロゼ、嫌だったらべつに無理にとは……」
「違うんです、お兄さま! たしかに濡れているのをお見せするのが恥ずかしいという気持ちはあるのですが、お兄さまの方からそのようにご要望してくださったことが嬉しくてたまらないんです! やっとお兄さまとこのような関係になれたのですから」
そう言いながら、女中服の裾の下から白い布地で覆われた乙女の膝小僧が顔を見せ、次いでガーターベルトの紐の繋がった眩しい白いふとももが露わになる。
(おお……ん? あれ? ロゼの下穿きってぼくが持っていって穿いてないんじゃ……)
ふとその事実に思い出したが、目が釘付けとなっており止めるより先にロゼはスカートを持ち上げてしまう。
(あ……)
次の瞬間に少女の股ぐらを簡素な白い布地が覆っているのが見えたのだ。
そのことになんだかんだと安堵しつつも、少女の下穿きに見覚えのあることに気がついた。
(うわわ、ぼくこの下着でトリスの胸についた精液を拭ったんだけど…………)
よりによってウィルの精液臭い下着をロゼは穿き直しているのである。
ウィルが見えやすいようロゼがさらに手を持ち上げ、室内の光をスカートの中に呼び込んだとき、ふと燭台の近くの姿見に自身とロゼの姿が映っていることに気がついた。
(うっわ、絵面きっつう)
胸のボタンを外し、自らのスカートを持ち上げた同世代の少女と、そのすぐ真正面に全裸でベッドの縁に座り、食い入るように女中の股を覗いている令息がそこにいるのだから。
「ロ、ロゼ、ぼくをスカートの中に入れてもらえないかな? ぼくも倒錯的でどうかと思うけど、どうしてもやってもらいたいんだ」
「マリエルの伝言の件ですわね? 喜んで」
ロゼはなぜか鼻息荒く誇らしげにウィルの前に進み出て、ベッドの縁に座るウィルの頭の上にスカートを覆い被せる。
ふわっと布地が頭上を覆い、視界が暗くなるが、まったく見えないほどではない。裾から光が漏れ出しており、むっちりとした同世代の少女の白いふとももが視界に生々しく映る。
(おおお……)
腰を屈めるとすぐ鼻先にロゼの白い下穿きが見え、明らかにウィルの精液だけではない沁みでぐっちょりと濡れていた。そこからは少年の精液と、どこか小便臭さも感じる少女の愛液が下着の中で混ざり合った臭いが漂ってくる。おそらくはトリスの汗の匂いも混ざっているだろう。
少女の股ぐらを自分の精液のついた布地が覆い包んでいる状況に興奮は覚えるものの、自分の精液の臭いというものは鼻先で積極的に嗅ぎたいものではない。
それが歯止めになってウィルは、プハッとスカートから顔を出した。
ウィルは座ったまま顔をそらし、頬を赤らめる。ロゼとは幼少期の思い出まである上に、同世代の少女のスカートの中というのは、なんだか甘酸っぱすぎて照れくさい。
「ロ、ロゼ、ありがとね……」
「お兄さま、また一つ夢が叶いましたわ。子供の頃に一緒にブリタニーのスカートの中に隠れたりもしましたが、どうして自分のスカートの中にお兄さまをお匿いできないんだろうって、ずっと思っていたんです」
(そんなことを思っていたのか……)
幼少期なら微笑ましい構図だろうが、成長した今ではただただ少年少女の青い性が絡み合っているだけである。
さらにロゼは小娘らしい性的な好奇心に潤んだ瞳でウィルの下腹部を見下ろし、言葉を続ける。
「お兄さま、もう一つ、わたしどうしてもやってみたいことがあるのです。お兄さまは、お手つきされたほとんどの女中に咥えさせておりますし、女中の奉仕がお好きですよね?」
(そんなことまで記録していたのか、リサ・サリ!? どれだけ仕事熱心なんだよ!?)
少年の性癖がガラス張りにされているも同然である。
「わたしにもお兄さまのお持ち物を咥えさせてくださいませんか? 殿方のものを咥えるやり方があると知ったときから、わたしお兄さまに口でご奉仕したくてたまらなかったんです!」
(ま、まさか、ロゼの方から咥えたいと言い出されるなんて……!)
グイグイと押し込んでくるロゼに、令息は途方に暮れた表情を浮かべている。
「あの、ロゼ。ぼく、風呂にも入ってないんだけど……」
マイヤに軽く身体を拭かせたものの、数刻前にトリスの口内で果て膣内で果てた性器をその血縁者の少女に咥えさせるというのは、いくらなんでも気がひける。
「むしろご褒美ですわ!」
(……ご褒美!?)
「わたしこの部屋に入って気がついたのです。お兄さまの汗や精液の匂いが大好きでたまらないと。どうやらわたしはお兄さまのすべてが好きすぎる変態のようです」
(うおう……)
令息が初めて性行為を経験したときに、どこかで聞いたことのあるようなセリフである。
ふとベッドに座る手元を見ると、ちょうどそこにはトリスの若かりしころの写真があり、見れば見るほど目の前の少女と瓜二つにしか思えない。
「お匂いどころか、わたしはお兄さまの胸板であったり、特に下半身の鼠蹊部に舌を這わせて味わいたいと望んでおります」
まさか妹同然に可愛がっていた少女が自分にそのような劣情を向けてくるとは思わなかった。
なんだかウィルはもうそれ以上、少女が性癖を露わにするのを聞いていられず、
「もうロゼの好きにしていいから!」
そう口にした。その性器は臍に反り返ったままである。
ロゼは少年の股の間に膝をついた。
ロゼの頭の上に載った白い帆のような女中帽を真上から見下ろす視界が新鮮である――このタイプの女中帽を着けた女中と親密な関係になった経験は少なく、まだソフィアとだけだ。
「では、失礼します」
少女の鼻先が亀頭に寄せられて、薔薇の花の匂いでも嗅ぐようにすうっと息が吸い込まれ、やがて少女の唇が大きく開かれる。
すぐに、チュパっと亀頭に吸い付く感触――
(うわあ!? 本当にロゼがぼくの股間に吸いついているよ! しかもトリスの中で果てて、拭いてもいないのに……)
目の前の光景が信じられない。ロゼの桃色の唇がウィルの亀頭に張りついているのだ。
ロゼの綺麗な顔が――若かりしころのトリスと同じ顔が――さきほど口づけを交わしたばかりのあの唇が、輪っかのようにパンパンに張り詰めた少年の屹立をぬるりと潜らせ、さらに喉奥へと顔を沈み込ませているのだ。
(ああ、気持ちいいっ!)
精神的な興奮がたまらない。トリスに比べると技巧的には未熟もいいところなのだが、なにせこれがロゼが初めて実地で体験する奉仕なのだから――
ただ、肉体的な快楽としては絶妙に物足りない。数刻前にトリスの奉仕を受けていたから、どうしても比べてしまう。
ふとロゼの顔を覗き込むと、喉奥まで咥えこむかなり苦しい体勢のはずだが、その瞳が喜色にまみれていることに気がついた。付き合いが長いから分かる。咥えていられることが嬉しくてたまらないといった表情である。
「ロ、ロゼ、舌を動かしてみてくれる?」
誘惑に耐えきれず、ついそう言ってしまう。すると、すぐに少年の肉棒にれろれろと舌が這い回り、その張り詰めた亀頭がぴちゃぴちゃと舌先で嬲られる。技巧はともかく活き活きとした舌使いである。
少女の唇から漏れた唾液がつうっとその顎を伝った。
見下ろす少女の頭が見慣れた妹の髪型をしていたら、そこで歯止めがかかっていたかもしれない――
「ロゼ、唾液を飲んでくれるかな?」
口に出した瞬間に自分はなんてことをと思ったが、少女は一切抵抗するそぶりを見せず素直に頷いた――ウィルが指示を撤回するより先にゴクリと喉を鳴らしたのだ。
(うわあ!? 本当に飲んじゃったよ! ついさっきトリスの中に入ってたのに……自分の産まれてきた穴に入ってたやつかもしれないのに!?)
背徳感を覚えるが少年はもう止まらない。
「ロゼ、もっと激しく顔を上下させてくれないかな? こう、こんな感じで」
少女の後ろ頭を両手でつかみ、上下に振りはじめた。トリスの言うところの――頭でっかちの耳年増の――少女に奉仕を仕込んでいるのだ。
ロゼの黒髪の上の衝立のような白い女中帽が、顔を動かす勢いでひらひらと揺れる。
「はあっ、はあっ、はあっ!」
軽快な水音とともに、快楽が押し寄せてくる――覚えが早い。シャルロッテの艶学とやらのおかげかもしれないが、乾いたスポンジが水を吸収するようにあっという間にウィルが指示したことを身につけてくれるという手応えがある。
背徳感も手伝ってか性感がどんどん高まっていく。思った以上に絶頂に向かうのが早い。
少年は少女の大きな乳房を両手でわしづかみにしながら「あ、あ、いきそう!」と叫んだ。
すると、ロゼがさらに喉奥深くまで呑み込む。
「ロ、ロゼ、べつに口で受け止めなくても……ああっ!?」
あわててそう口にするがもう遅い。どうしても少女の口内に射精するのを控えたければ、咥えるのをやめろと命令するべきだったのだ。
ウィルの腰の後ろに腕が回され、少年の尻がぎゅうっとつかまれる。キュッと乙女の唇が根元付近を圧迫し、一滴たりとも零さないという少女の断固たる意志が感じられた。
少年の腰から背筋に快楽が突き抜ける。
(あ、い、いく!?)
その次の瞬間、下半身からドクッと快楽の塊が飛び出して、少女の桃色の唇の輪を通過し、亀頭の鈴口から白濁として発射された。
ドクドクッ――白いペンキでもぶちまけるように血の繋がらない妹の喉奥を汚していく。
少年の精液が、プラトニックな関係から性的な関係へと二人の心の地図を塗り潰す。それが気持ち良くてたまらないのだ。
ロゼは目を伏せ、それをうっとりとした表情で受け止めていた――マイヤなどは初めて口内に射精したとき、目を白黒させていたというのに。
「あっ、あっ……あっ……」
いまもビクビクと射精のたびに軽く腰を浮かせるように跳ねさせる令息の陰茎に、美しい少女の口が繋がっているのが信じられない。
(すっごい背徳感……)
トリスの膣内で果てた陰茎がその数刻後に、ロゼの口内で射精の律動を繰り返していることにどこか呆然とした感慨を覚える。
やがて、最後の射精の律動が終わったとき、シャルロッテの艶学でそうするように教わったのか、唇を離すまえに亀頭の鈴口がチュッと吸われ、令息は「うっ」と呻き声を漏らした。
ロゼが「お嫌でしたか」と小首を傾げたので、ウィルは首を左右に振り、少女の頭を撫でてやった。正直、どう反応して良いか分からなかったのでそうしたのだが、少女は精液を口に含んだまま唇を左右に引き結び、嬉しそうに微笑む。
そして次の瞬間、その唇が上下にぱかっと開かれた。口の中をウィルに見せたのだ。
(うわ、こ、こんなにいっぱい……)
乙女の口内は令息の放った大量の精液でぬかるんでいた。ロゼの舌が白濁の沼に浸かっている。ウィルには、ものすごく衝撃的な光景である。
さらにロゼは「ん?」と顎を突き出し、問いかけてくる。
少女の意図するところが分からないまま、なんとなく頷いてしまった。
すると、若かりし頃のトリスと瓜二つの少女はギュッと目をつぶって喉を鳴らしたのだ。
(うわっ!? の、飲んでる。ロゼが――ぼくの妹がぼくの精液を飲んでいる……!?)
ロゼは再び唇を開き、口内を見せる。溜まっていた精液は残らず飲み干されていた。
初めてマイヤに精液を飲ませたとき、あの赤毛の少女は「苦い」「喉にひっつく」と苦情を漏らしたものだが、ロゼは――
「はぁ、はあ。お兄さま、わたしこのお味好きなようです。いかにもお兄さまという感じがして、身体の内側からお兄さまの色に染められていく感覚がたまりませんわ」
どうもトリスに負けないくらいウィルの精液を好む性癖があるらしい。
陰茎は満ち足りたのか垂れ下がっていた。ロゼは一区切りついたのを察したようで、すくっと立ち上がり女中服の乱れを繕いはじめる。
「お兄さま、次回こそは、わたしの処女をもらってやってください。お兄さまに一番ご満足いただけるやり方で抱いていただきたいのです。髪もお兄さまのお好みにしますわ」
「分かった。トリスと同じ髪型にさせるかもしれないし、させないかもしれない。いずれにせよ好きなようにさせてもらう。きみには唾をつけた。ロゼはもう一生ぼくの女中なんだから――」
そんなウィルの発言に対し、
「はい! お兄さま!」
ロゼは心底嬉しそうに――屈託のない、思わず見惚れてしまうような笑みを返してきたのであった。
◇ 屋敷の女性一覧 ◇
女中長 1人 (トリス◎)
蒸留室女中 2人 (リサ◎・サリ◎)
洗濯女中 6人 (第一:ジュディス◎)
(第二:イグチナ◎・ブリタニー◎・シャーミア◎)
(第三:アーニー◎・レミア◎)
料理人 1人 (リッタ◎)
調理女中 4人 (第一:ジューチカ、マイヤ◎)
(第二:エカチェリーナ・フレデリカ)
皿洗い女中 2人 (ルノア・ニーナ)
乳母 1人 (アラベスカ◎)
酪農女中 3人 (ケーネ)
客間女中 1人 (フローラ◎)
家政女中 9人 (ウィルマ・ロゼ△・ヴェラナ)
雑役女中 8人 (ルーシー・チュンファ・デイジー・ターニャ)
側付き女中 2人 (ソフィア○・レベッカ◎)
修道女 1人 (ヘンリエッタ◎)
その他 1人 (オクタヴィア)
計42人
お手つき 16人 ※済み◎、一部済み○、途中△
※△は数に含めず
もし読んでてなにか気になるところがありましたら、遠慮なくコメントください。
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第六十一話「耳年増の小娘の奉仕」へのコメント:
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