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第十八話「耳となる女」

「リッタが屋敷で逢い引きしている!?」

 ウィルがそう困惑の声をあげたのは、いま、まさに、裸で抱き合うリサ・サリの上側のほう――リサの小さな尻の谷間のじょいんめがけて、後ろから男根を突き込もうとしているときだった。


   ‡


 夕飯後、女中長ハウスキーパーの部屋でお茶を飲んでいるとき、

「今晩は、リサ・サリを抱いてあげてください。ご主人さまの耳となる女の忠誠は早めに確保しておかねばなりません」

 トリスがそのようなことを言いはじめたのだ。
 椅子に座ってお茶を飲むウィルの横に、トリスは背を伸ばして立っていた。
 ウィルが「座れば」と言ったが、トリスは黙って首を振る。あくまで主人に仕える使用人として一線を引きたいようである。
 ウィルは紅茶のカップをくっと傾けて、喉を鳴らした後、

「それは構わないけれど――抱けば女中メイドが忠誠を誓うっていくらなんでも安直すぎない?」

 そう疑問の声を発した。
 性交しただけで忠誠を誓うなら、世の中がとてもシンプルになりそうな気がする。
 だが――

「はい、単純ですよ。犬のしつけと同じですから。ほかの女中たちもそのようにお扱いください」

 女中長は事もなげにそう言ったのである。
 トリスは、そっとテーブルに近づき、ウィルのカップにお代わりを注ぐ。
 ウィルは、黒いお仕着せを押し上げる乳房の膨らみを下から半目で見上げながら、

「ねえ、トリス。ぼくを色事師のように扱うのはやめてほしいんだけど……」

 そう呟いた。

「――おや?」

 女中長は、中身を確かめるように、お茶の入ったポットを軽く揺らした。
 ちゃぽんとポットが音を立てる。

「だいたい、ぼくはつい最近女を知ったばかりなんだよ――」

 ウィルは目線を落として、トリスの黒いエナメルの靴先をじっと見つめた。
 そこからスカートのすそへと、黒い靴下が続く。
 長い脚がスカートの起伏を形作る。あそこで筆おろしをさせてもらったのだ。
 いかんいかん――と、ウィルは首を振った。
 ウィルとてやりたい盛りの時期ではあるが、ポットの湯に限りがあるように、男の精力にも限界があるのだ。

「色事師というのは近いようで遠いですね。むしろ、わたしがご主人さまに期待している方向性とは真逆です」
「そうなの?」

 ウィルは意外なことを聞いたとばかりに目をしばたかせた。

「歴史に登場した色事師をご想像ください。せいぜい権力者にすり寄って、一時の権勢を得たにすぎません」

 言われてみるとそうかもしれない。
 権力に色はつきものであるが、権力者をたぶらかす色事師は歴史の徒花あだばなといえる。

「だいいち性的な負担が重すぎます。そのようなやり方で、多数の女の心を長期にわたって握り続けることは不可能でしょう」

 なるほどとウィルがうなずきかけたそのとき、

「おう。ウィル、邪魔するぜ」
「ウィル、妹の捜索は進んでいるか?」

 屋敷の主人を気安く呼び捨てにする二人の女中――マイヤとソフィアが部屋に入ってきた。
 開け放たれた扉の左右から、ついでとばかりに、にょきっとリサ・サリが顔をのぞかせたのだ。
 口に指をくわえるようなポーズをして、いかにも仲間に入れてほしそうにしている。

「一緒にお茶を飲む?」

 気のいいウィルがそう誘うと、えへへと顔を赤らめ、双子の姉妹がとことこと着席した。
 トリスがポットを軽く揺すった。

「使用人に振る舞うには、過ぎた茶葉ではありますが、ちょうど四杯分はあります」

 女中長は、ウィルを囲むように円形のテーブルに着席した四人の少女たちに、ティーカップを並べていく。

「繰り返しになりますが女中を扱うコツは犬の躾けと同じです。ならば、犬の忠誠を維持するにはどうすれば良いか。簡単です。主人が主人らしい威厳を保ち続け、餌やりと散歩を忘れないこと」
「……威厳と、餌やり」

 ウィルはその言葉をぽつりと呟いた。
 まず、たしかに人を使う立場にあるなら威厳を保つことはとても重要であろう。
 ウィルは自分が女中たちに好かれているのを自覚しているが、同時に、気安く接しすぎたこともあって威厳が足りないことは認めざるをえない。
 次に、餌やりとは、きちんと女中たちの給料を支払うことであろう。
 いまは大幅な予算カットの憂き目にあって、女中たちに払う給料を捻出できない危機にある。
 挙げられた二つの条件が、すでに危うい。
 そして、

「散歩――?」

 ウィルは説明を要求した。

「はい。犬は、散歩にさえ連れて行くのを忘れなければ、多少邪険に扱っても尻尾を振って主人に従います」

 昔、屋敷でペロという老犬を飼っていたので、そのことはよく分かる。
 ウィルは一度だけ、何も悪くない犬の横腹を理不尽に蹴り上げたことがある。
 物心ついたときにペロは既にいた。
 だがあるとき傍らを歩く老犬に、成長した自分の力を見せつけてやりたいと、子どもらしい残酷さで思いついたのだった。
 蹴り上げると、老犬は悪い咳をするかのように、きゃんきゃんと悶絶した挙げ句、苦しそうにひっくり返って腹を見せた。
 降伏のポーズである。そんな老犬の哀れな姿に、ウィルはわいそうなことをしてしまったと後悔した。
 だが、嫌われたかと心配しながら、あくる日に散歩に連れて行ってやろうと顔を出したら、ペロは飛び跳ねるように喜びを爆発させたのだ。
 マイヤに釣られて、すでにソフィアも紅茶を飲みはじめている。
 増えた四人、リサ・サリの分までトリスは紅茶を注ぎ終えた。

「犬の散歩に当たるものが女中の場合、性交にあたります。カップに紅茶を満たすように、女の器に精液を注いでおけばよいのです」

 ぶっとソフィアが茶を吹き出した。

「ごほっごほっ!」
「大丈夫?」

 ウィルは、ソフィアの細い背中をさすってやった。
 ソフィアがれた唇を手の甲でぬぐっている。
 昨晩、ウィルはこの少女のこうないに精を放った。そして少女はそれを飲んだのだ。
 ソフィアに構わず、トリスは言葉を続ける。

「性交さえしておけば、女中は、多少の理不尽なことがあっても耐えてくれますよ」
「まあ、当たってるかもな。実際、オレはそういう性格だし」

 トリスの言葉をマイヤがあっさりと肯定した。

「人の心と身体は連動しています。女においてそのサイクルは月に一度――つまり生理のタイミングです。ですから最低でも、月に一度、ちつないにご主人さまが精を注いでおけば、女はご主人さまから離れなくなります。生理が終わると主人との性交が待っていると意識に刻みつけておけばいいのです」

 トリスは、それが自然のせつであるかのように、もっともらしく言うので判断に困る。

「月一回でいいの?」
「最低、月一回ということです」

 そうトリスがウィルの言葉を微妙に修正した。
 その辺りはさじ加減なのだろう。

「色事師のように強烈な快楽で女の心を縛るのは双方に負担になりますし、逆にこれより間隔が空くと女中の心を鎖で繋ぎ止めておくのが難しくなります。犬の鎖は長すぎても短すぎてもいけないということです」

 ふいに、ウィルは自分の指の間に、たくさんの鎖の束が絡みついているような錯覚におちいった。

「水で岩に穴を穿つように、少しずつ女の心に浸透させていけばいいのです。むろん最低限の技巧は求められますが、真に必要なのは忍耐力と精神力です。それらの資質がご主人さまにはおありになる」

 あ、まずい――
 トリスの言葉が腑に落ちてしまった。
 それなら自分でも多くの女中を従えることができるだろう。
 支配できるというイメージがウィルのなかで沸き上がってしまった。

「わたしの見立てだと、ご主人さまが無理なく射精を続けられるのは一日に四回だと思います。ひと月に百二十回。つまり百二十人の女中は無理なく支配できる計算となります」

 トリスはそう呟いたのであった。


   ‡


 トリスの部屋でのお茶会の後、ウィルは双子の蒸留室女中リサ・サリを自室に呼んだ。
 すぐに室内は、少年と双子の姉妹の甘酸っぱい匂いで充満することになった。
 白いシーツが、ウィルの尻の汗を吸収している。
 ウィルは、リサの下半身めがけて押し出すだけだった腰を、いったん引いたのだ。
 双子の少女は全裸で抱き合いながら、ウィルに向かって足を開いていた。それぞれの股の間からは青い性臭がただよってくるようである。
 二人の少女の下半身のつぼみを眺めながら、考えを整理していた。
 びくびくと股間をぼっさせたまま、少年は落ち着いて思考を深く掘り下げていた。
 伯爵が大幅な予算削減を行なうつもりだという情報は、すぐに屋敷の女中たちのあいだに知れ渡り、不和の種をくことになった。
 とくに年輩の女中と、若い女中との対立がひどい。
 年輩の女中たちは、戦力としてまだひ弱な若い女中を解雇することを当然だと思っている節があるし、一方の若い女中のほうが、給料の高い年輩の女中が出て行けばいいのにと考えているのは明らかだった。
 今後の金策がうまく行くかはまだ分からないものの、屋敷の主人としてこの事態を収拾しなくてはならない。
 トリスが手塩にかけた蒸留室スティルルーム女中メイドは、もう手放せない存在となっていた。
 この双子は、壁の花のように、そっと静かに佇んでいてもだれも不快には思わない。
 対立している集団のそれぞれに置いておけば、おおよその情報を上げてくれるのだ。
 視線をあげたときには、双子の少女が正座をしていた。裸で――
 その様子は、まるでウィルに叱責されているかのようである。
 ウィルが途中でやめたので、なにか粗相をしでかしてしまったと誤解を与えたのかもしれない。

「リサ・サリ、リッタの様子を教えて」

 ウィルが双子にそう言った。
 いま考えないといけないのは、リサが寝物語のようにぽろっとらした、リッタの密会についてなのである。
 今日の昼食も夕食も、リッタらしからぬ料理であった。
 いつものような味の繊細さや細やかさといったものが失われていた。
 今朝の様子から、少しは気合いを入れて料理を作るだろうと思っていたが、なお料理の質はひどくなっていた。
 マイヤなどは「こんな料理ならオレにだって作れるぞ」と首をひねっていた。
 リッタ自身も、心ここにあらずといった感じで、どこかふわふわとしていた。
 そして、料理人コックのリッタがこんな感じだから、調理キッチン女中メイドの作る使用人たちのまかないも一層酷くなっていた。
 飯の恨みは恐ろしいものだ。
 ウィルは、使用人たちの不満が汚れた水槽の澱のように溜まっていくのを感じていた。
 サリのほうがぽつぽつと答えはじめた。

「はい。どうやらリッタさんの恋人が出入りの商人を装って屋敷に侵入したそうです」

 屋敷の使用人が、家族や恋人と手紙で連絡を取り合うことまでは止めようがないが、恋人が職場にまで押しかけてくることは悪い虫フォロワーとして歓迎されない。
 現状、リッタはべつにウィルの愛人というわけではない。
 だから、少々のことであれば、大目にみてやってもいいくらいではある。
 ただ、いまはタイミングが非常にい。

「うーん」

 ウィルは膝の上に頰杖を付きながら、少し考えこんだ。
 ウィルの耳に入るということは、当然トリスも知っているはずだ。
 だが、料理人は女中長の管理下というよりも、主人の直轄である。ならばウィルが判断するべき事案であろう。
 リッタの行動を容認するべきだろうか――
 恋人と節度をもって付き合うなら、ウィルとしても干渉するつもりはないが、明らかに仕事に支障が出ている。
 特に飯の不満は、使用人たちのいざこざを一気に表面化させかねないのだ。

「――まさか、屋敷のなかで行為に及んでいるわけではないよね?」
「あ、はい。そういったことはありませんでした」

 その返答に、ウィルはほっとする。

「ですが、あれは恋人というよりも――」リサがぽつりと呟いた。
「恋人というよりも――?」

 そこでサリが口を挟んだ。

「どうせなら直接ご覧になりませんか? リッタさんの恋人は明日また来るそうです」

 たしかに伝聞だけでは、どう判断したものか分からない。

「こっそり覗けるポイントがありますよ」

 リサがそう付け加えた。

(それって、いいんだろうか……)

 そんな疑問がウィルの頭をよぎったが、いまは手段を選んでいる余裕がない。

「分かった。そうしよう」

 ウィルがそう言うと、双子の姉妹はほっと息を吐いた。
 この間も、あぐらをかいた姿勢のまま、ウィルの男根はぴくぴくと揺れている。
 その傍らで双子の少女たちは、膝を崩していた。
 いま、獲物をねらう小動物のように、双子の瞳はそれに合わせて上下に動いていた。

「ウィル坊ちゃま、いい加減、わたしたちの相手もしてください……」

 吐き出すように言ったリサの言葉に、サリが頷いた。
 たしかに、いま、まさにに至ろうとする直前で、お預けをくらわせているのは酷いだろう。
 東洋オリエントの出身のためなのか、体つきは豊満とは言いがたいものの、尻や太ももは、手の平に吸いつくようであった。
 身体の発達はまだ未熟であるものの、二人の少女はを繰り返して自分自身を開発してきたせいか、おどろくほど感度が良かった。
 よだれを垂らすように太ももまで濡れている。

「君たちはぼくのことを見てきたから、よく知っているかもしれないけど――逆に僕のほうは君たちのことをそれほど知らないんだよね」

 二人のことを知らないというよりも、そもそも二人の見分けがつかない――

「ん――?」

 ふと左側のリサのほうの薄い乳房を見つめた。ほんのり手の平に膨らみを感じるくらいの起伏である。
 ソフィアよりは大きく、マイヤと大体同じくらい。

「あ。サリのほうは右の乳房に黒子があるんだね――」

 ウィルがそう言った瞬間、サリはばっと自分の体を抱きしめた。
 顔はしゅうに赤く染まっていく。その様子を見て、ウィルの頭にひらめくものがあった。

「君たち双子は、ぼくの言うことを何でも聞いてくれるんだよね」

 急に向けられた少年の嗜虐的な視線に、二人の少女は嫌な予感を感じたのか、ひぃっと背筋を震わせた。

「おやわらかにです」そうサリが言い、
「あまり痛くしないでほしいです」とリサが付けくわえる。
「リサ。ぼくはサリの身体をじっくり見たい。両手を押さえつけろ」
「はい」

 リサはあっさりと命令に従った。
 バンザイするかのようにサリの両手はリサに押さえつけられている。
 ウィルはサリの薄い胸に舌を伸ばし、黒子の辺りを舐めた。
 サリは腕で胸をおおい隠そうとするが、上から押さえつけるリサがそれを許さない。

「な、なんで妹を押さえつけるのを姉が手伝うのよ!」

 サリがそう悲鳴を上げた。
 そういえば、双子のどちらが姉で妹か、いままで知らなかった。
 ちょっと抜けた姉に、しっかりものの妹という取り合わせだったらしい。

「だ、だって命令だし――リサは悪くないもん」

 リサはそう言い張った。
 この少女は後で自分が同じ扱いを受けると、理解しているのだろうか。
 嫌がる女と無理矢理行為に及ぶような体勢になってきて、ウィルは次第に興が乗ってきた。
 さらに身体をよじろうとするサリを無理矢理ベッドの上にはりつけにする。

「リサ。そのままじっと腕を押さえているんだよ」
「はい。その代わり――これからウィル坊ちゃまではなく、ご主人さまとお呼びしてもいいですか?」

 リサはそんなことを言った。

「トリスみたいに?」

 ウィルがたずねると、

「はい。わたしたちはトリスさまを見習いたいんです……」

 下から、真剣な口調でサリがそう言ったのだ。
 ウィルは、サリの小柄の身体を組み敷き、肩の上に両手を置く。
 その体勢で、下半身の照準をサリのちつこうへと合わせた。
 男根がぴちゃりと粘膜に接する。

「あっ」とサリが全身をすくませた。

 上からリサが食い入るようにかたを飲み込んでいる。

「じっくり顔を見ながられてあげる」
「えっ!」

 ウィルはそう言うや否や、サリのもとを覆っていた前髪をかき上げてしまったのだ。

「ああ――!?」

 サリが全身を竦ませる。
 その顔は年相応に丸みを帯びており、東洋系だけあって目許は細く流麗だ。鼻筋はそれほど高くはないにしても、れいに透き通っている。
 涼しげな上質さがあって異国情緒溢れるエキゾチックな魅力を感じた。
 顔がみるみる紅潮していく。
 サリが叫び出すまえに、その柔らかい唇を吸った。舌で口内をなぞる。
 唾液の橋をかけながら、男根をずぶずぶと沈めていく。
 黒い眉毛は細い。サリの右胸にはほくろがあったが、右の眉毛の上側にも、ほくろがある。

「サリの右の眉毛の上にもほくろがあるんだね。サリの歯も右側が少し八重歯になっている」

 何年かぶりに、人まえでおでこをあらわにしたサリは、顔を紅潮させて、ぱくぱくと金魚のように口を開いている。

「もうぼくはサリをリサと間違えることはない――」

 ウィルは、ようやくこの双子の少女の核のようなものを掴むことができた気がしていた。
 リサとサリにとって、自分たち双子を判別できない状態に置いておくことが、なんらかの心の砦だったのだろう。
 この二人の少女は、トリスによって、週に一度、ウィルのことを思って自慰をすることまで強要されていたのだから。
 サリのなかでぶちぶちと膜の破れる音を感じる。
 にくを摘むと、びくんとサリの身体が跳ねた。それをこんしんの力をこめてリサが抑える。
 これまでの自慰によって、開発が進んでいたのか、淡い乳房の上の乳首はあからさまに突起していた。
 ねぶるように上からサリの顔を視姦しながら、腰を前後に進ませる。
 ふと頭上には、ぼうぜんと妹のの様子をみやるリサがいる。
 ウィルは背筋をらし、リサの唇を吸い、歯の上に舌をなぞらせた。
 リサのほうに八重歯はなかった。
 さらに、今度はリサの黒い前髪をかきあげてやった。
 ――リサは思わず抑えていた妹の腕を離してしまう。
 リサのおでこに黒子はなかった。
 すると、サリのきゃしゃな両腕は、最初からそんな必要がなかったかのように、自然にウィルの背中の後ろに回された。
 痛そうに顔をゆがめる少女にさらに腰をたたきつけた。
 そして、ウィルは、そのままサリのなかに気持ち良く精を解き放ったのである――
 サリとの事後、ウィルはリサに一つの命令を下す。

「サリのなかに、薬を塗り込んであげて」

 リサが頷いた。
 この双子姉妹は、つい昨日、生理が終わったばかりなのである。
 生理明け直後ならはらむ可能性も低い。
 子宮口を覆う避妊具を着けずとも、事後に薬を塗り込むので十分であった。
 リサは、双子の妹の股ぐらに顔を突っ込むと、その惨状に「うわあ」と呟いた。
 そこは赤と白がとぐろを巻いている。そんな状態で、サリは放心していた。
 ウィルは、妹の股ぐらに顔を突っ込むリサの尻を両手でがっしりと固定すると、

「あっ!」

 ずりずりとサリの頭の上へと移動させ、双子の姉妹がお互いの股間を覗き込むシックスナインの体勢に移行させた。
 上から見下ろすリサの白いお尻を、桃を割るように左右にひっぱり、女性器から肛門までを露出させた。
 そっとウィルの勃起したとうの先が白い尻に触れたとき、リサがひっと背筋を反らせた。
 ウィルはつくづく思った。
 もう一枚、処女膜があるというのは何というお得なことか――!

「わ、わたし――まだ、こころの準備が!?」

 リサは今さらわたわたと抵抗する。
 だが、その双子の姉の身体を、

「リサ、さっきはよくも押さえつけてくれたわね」

 ようやく復活した妹サリが、蟹挟みするかのように押さえつけたのだ。
 リサの尻の下では、サリの濃褐色ブラウンの瞳が勃起したウィルの男根を見上げていた。
 サリは、下から双子の姉の白い尻たぶを左右に広げるのを手助けする。
 これでウィルが手を離していても、ぱっくりと未通女の局部がさらされる格好になる。
 そこにはうっすらと膜のようなものが。双子で形は変わらなかった。

「さあ、どうぞご主人さま。これよりリサ・サリはご主人さまにお仕えします」

 それはトリスの薫陶によるものなのか、サリがそう言ったのだ。
 ウィルが男根を沈めると、処女膜の端が切れたのか、ぶちっと軽い音がした。

「がががっ、ぐぐっ! 痛い。これ本当に痛い。こんなの無理!」

 リサは後ろを振り返りながら、やめてと首を振っている。

「ささ、遠慮なく」

 金玉をくすぐるようにサリの声が響く。
 処女膜も三枚目となるとウィルの行動にも躊躇ためらいがなくなる。

「ぎぎぎ、ぎゃ、ぎゃあああ!?」

 乙女のものとは思えない濁音の悲鳴をあげるリサのなかをぶちぶちと突き破ったのだ――



◇ 屋敷の女性一覧 ◇

女中長   1人 (トリス◎)
蒸留室女中 2人 (リサ◎・サリ◎)
洗濯女中  6人 (第一:ジュディス)
         (第二:イグチナ・ブリタニー△・シャーミア)
         (第三:アーニー・レミア)
料理人   1人 (リッタ)
調理女中  3人 (ジューチカ)
皿洗い女中 2人 (ルノア・ニーナ)
酪農女中  3人
客間女中  1人 (フローラ△)
家政女中 12人
雑役女中  8人
側付き女中 2人 (ソフィア△・マイヤ◎)
    計41人
お手つき  4人 (済み◎、途中△)




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