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第四十四話「尽くす女と貪られる女」

 夜も更けたころ、ベッドの上でウィルとソフィアがあぐらをかいて向きあっていた。
 女中服姿のソフィアは、追い詰められた獣のようにぐっと歯を噛んで、きっとウィルのほうをにらみつけてくる。
 ウィルは、そんなソフィアに苦笑をもらしながらも狩人のような目で見つめ返す。

「ぼくはソフィアの身も心も自分のものにしたい。ぼくのものになってよ?」

 ウィルのアプローチはシンプルだった。
 銀髪の少女はびくっと目を見開くと、うつむいてシーツをぎゅっと握りしめる。

「無事にマリエルが見つかれば、この屋敷で一緒に暮らせばいい。マルク領の草原も使わせてあげる」

 狩りの基本は獲物の逃走経路を読み、先回りすることにある。

「草原か……」

 ソフィアは、悩ましげにぎゅっと目をつぶった。
 完璧な段取りだと思った。 
 この条件ならばソフィアの草原の民としての矜持きょうじを傷つけることなく、一生自分の手のなかに囲い続けることができるのではないか。

「ウィル。それが破格の申し出であることは良く分かる……。でも、わたしには返答することができないんだ――」

 だが、ソフィアの返答は期待とは違っていたのだ。
 捕まえたと思った獲物が、手のうちからするりと逃げてしまったのである。

「ど、どうして?! そこまでぼくのことが嫌いなの!?」

 ウィルは半ば逆上してそう叫んだ。

「そ、それは違う。その言い方だと語弊があるぞ。自分に良くしてくれた相手に感謝の気持ちを抱くのは当然だ」

 ソフィアのほうも動揺して激しく首を振った。
 これまで何度となくソフィアを性的な対象として扱ってきたが、それでもソフィアはウィルに感謝の気持ちを向けてくれているようである。

(感謝なんてしなくてもいいからぼくに惚れてよ……!)

 だが、ウィルは身も蓋もなくそう思っていた。

「問題は妹のことなんだ。以前、わたしと妹は思念で話ができると言っただろう。幼少期からずっと心を通わせてきた妹とは分かちがたいほど密接に結びついてしまっているんだ」
「……? 密接にってどのくらい?」

 ウィルは怪訝な表情でそう訊ねた。

「まず隠しごとはできない。すべての情報は共有することになる。その結果、わたしの好きなものをマリエルは好きになり、マリエルの好きなものをわたしは好きになる。もしわたしがウィルに心も委ねたら、妹もウィルに心を委ねることになってしまう」
(そ、そんなことが起こりえるのか……!)

 ある程度遠くでも通じ合える念話能力。
 ウィルはそれを聞いて、なんとも便利な能力ちからくらいにしか思っていなかった。
 強すぎる力を授かれば歪みも抱えてしまうのだろう。

神子みこ神巫かんなぎついになる存在だ。もともと二人で一つ。だから、わたしは誰のことも好きになるつもりがない。わたしの一存いちぞんで妹を……一族の長たる神巫の判断を左右するわけにいかない」

 ソフィアは強い口調でそう言い切った。
 ウィルは、それを聞いて顎を落とす。
 これまでウィルはトリスに勧められたとおり、女という城を攻略するために外堀を埋めるよう心がけてきた。
 ソフィアの外堀を全て埋めたつもりだった。
 だがまさか、城の地下がべつの城に通じていようとは――

「……ぼくは君たちを悪いようにはしないよ?」
「それはそのとおりだと思う」

 ソフィアは認めてくれた。

「だったら、妹ともども、ぼくに惚れてくれたっていいじゃないか!」

 ウィルは駄々っ子のように言った。

「そういうのは、直接一族の長たるマリエル相手にやってくれ」

 割とあっさり、どこか他人事のようにソフィアがそう言ったので、ウィルはおやっと思った。

「つまり、マリエルを口説き伏せたらソフィアがついてくると」
「人をおまけのように言うな。だが、結果的にはそういうことになるな」

 銀髪の少女はどこか憮然ぶぜんと肯いた。

(むむむ。ここまで来て、いまさら引き返せるもんかっ!)

 どうやってまだ見ぬマリエルを口説けばよいのか。
 それがウィルの次の関心事であった。

「分かちがたいほど結びついてるってことは、ソフィアとマリエルは同じ性格をしているんだよね?」
「いや。そうでもない。妹の言葉遣いはもっと女らしいし、立ち振る舞いもわたしに比べると、なんというか、おしとやかというか、もっとおしゃまな感じがするな」
「え? 心が繋がっているのに?」
「根っこが同じでも神子みこ神巫かんなぎと立場が違えば求められる物腰も違ってくる。わたしが男口調なのは、あらくれの男どもを指揮する必要があったからだ。わたしと妹は、同じ人間でもあるし、違う人間でもあると言える」
(うーん。本質は同じでも外面的な性格は若干違うということか)
「マリエルを口説くにはどうしたらいい?」
「どうして、それをわたしに聞くかな。困った……。マリエルは一族の命運を背負った立場だ。一族を助けてくれるなら、自然にマリエルはウィルに好感を抱くと思うぞ。少なくともわたしはそういう人間だし、マリエルはわたし以上にそういう人間だ」

 それを聞いて、ウィルは天井を仰いだ。

(そういうことか……。それでぼくがぎんろうぞくの取引の相手に選ばれたというわけか……)

 ソフィアは予言の言葉に従って、ウィルが奴隷市場に来るのを待っていた。
 どうしてウィルかというのは気にはかかっていたのだ。
 たとえば自分ではなく男爵家のカヤックのもとに身を寄せていたらどういうことになっていたか。
 カヤックなら自分ほどソフィアに執着しないだろう。
 先日、カヤックが連れてきた妊婦のなかにはソフィアのように薄い胸の女も混じっていた。
 カヤック自身はグラマーな女性が好みと言っていたが、基本、可愛い子なら誰にでも手を出す。

(おそらくソフィアに手を出そうとして殺されてしまうか、騙してまんまと抱いてしまうか、どちらかだろうね。つまり……)

 ソフィアの願いを叶えてくれるくらい力があって、最低限約束を守ってくれるくらい誠実な人間としてウィルに白羽の矢を立てたのである。
 ソフィアを抱くために、ウィルは銀狼族の長のマリエルの心を手に入れなければならない。
 どうやらそのためには本腰を入れて銀狼族の庇護者となる必要がありそうだ。

(な、なんて悪辣なんだ。人の誠実さの限界を冷静に値踏みしやがって!)

 見えざる神の手のようなものを意識して、ウィルはふんがいした。
 ソフィアに草原を与えるという話も、現時点では情勢次第の口約束なのである。
 少女一人に与える土地ならマルク家が存続している限りどうにでもなるだろうが、銀狼族全体の行く末に責任をもつつもりなど欠片かけらもなかった。

「ウィル。どうかわたしの心まで持っていこうとしないでほしい。処女をささげることと心を許すこと以外なんでも言うとおりにするから」

 視線を下ろすと、心配そうに見つめてくるソフィアがいた。

(欲しいものはその二つだというのに……! なんでよりによってその二つが駄目なんだ!)
「……ふう。分かった。その二つ以外はなんだって言うことを聞いてもらうよ」

 ウィルはそう言うなり、ソフィアの黒いスカートの膝あたりをつかみ、乱暴に膝ごとソフィアを後ろにひっくり返す。

「あ! ……っと。お、おい……!」

 黒いスカートの布地を捲り上げて、股ぐらに顔を突っ込む。
 妖精のような白い足がまぶしい。

(くそ、くそ! こんなに綺麗なのに、どうしてぼくのものにならないんだよ……)

 女の股間に手を伸ばし、白いショーツを鷲づかみにする。
 そのまま引きちぎるように膝下まで乱暴に引っ張りおろす。

「ウィル。落ち着け!」

 ソフィアは内股になって足を閉じた。
 一度、女が力を込めると、白く細い足は鉄の棒のようになり、ウィルの力ではびくともしなくなる。
 だが、ウィルは自身の指先にべっとりと唾液を落とし、するりと女の足の合間に腕を伸ばした。
 そして剥き出しになっているソフィアの股に辿り着くと、意外に繊細な手つきでソフィアの股間をで上げた。

「う……あっ……」

 少女の身体がびくんと震え、途端にソフィアは萎れるように弱々しくなった。
 処女膜に男の体液が濡れると、神子としての資格を一時的に失うのである。
 もうムードも何もない。
 ウィルはソフィアのスカートに突っ込んでいた頭を抜くと、

「うっ……あ、あまり乱暴に――」

 性急なウィルにおびえるソフィアの肩を掴んで抱き寄せる。
 そのまま唇に吸いついた。
 舌を入れると、ソフィアの琥珀色の瞳がさらに大きく見開かれた。
 ウィルとソフィアの前歯が、つるつると触れてやさしく滑り合う。
 少女の腔内をひたすら執拗に舌でねぶりあげる。
 逃げるソフィアの舌に、ねっとりとウィルの舌が絡みつく。
 仰向けに寝そべるソフィアが背筋を震わせて反り返るが、少女の顎を両手で押さえて、唇を密着させたままにする。

(えと、こうだったかな……)

 ウィルは舌の裏側のつるりとした裏側で、ソフィアの歯茎を舐め上げる。
 今度は舌をひっくり返し、ざらざらとした面でなぶりあげる。
 いままで味わったトリスの舌の技巧を思い出しながら、それを少しずつソフィアの腔内で再現する。
 ソフィアと初めて唇を交わし合ったときに比べると、ウィルも随分と経験が豊富になった。

「はあっ、はあっ。んぐっ……」

 ソフィアの背筋が震えはじめた。
 唇は覆い包まれている。
 たまりかねて、合わさった唇のすきから、ぷしゅっと唾液の滴とともに声が漏れる。
 ソフィアはぷるぷると震える手の平で、ウィルの顎を押し上げ、なんとか顔を離す。

「こ、呼吸を整えさせてくれ。し、刺激が強すぎて……」

 ぜえぜえと肩で呼吸をしている。
 ここまでソフィアが感じている理由は、もちろんウィルの口づけが上手くなったというのもあるだろうが、ソフィアが口づけに慣れていないためであろう。

「慣れていってもらうよ。ぼくのことを好きになってくれないんだったら、代わりに身体を張ってもらわないと」
「か、身体を張れば、草原を使わせてもらえるのか?」

 銀髪の少女の質問に、ウィルは狡猾な笑みを浮かべた。

「ソフィアの頑張り次第かな。第一、草原と言っても条件に幅があるよね。ソフィア一人が使う草原を間借りさせてほしいのか、銀狼族が縄張りとして持つ草原がほしいのか」

 どこまでの条件が欲しいのか、いまのソフィアには決められないことだろう。

「いまのところ心は求めない。ソフィアの身体がぼくのことを受け入れられるよう努力してもらえばいいよ」
「わ、分かった。とにかく頑張る……あむ」

 今度は、ソフィアは眉をひそめることなく、ウィルの唇を受け入れた。
 さきほどよりも、ソフィアの女中服に包まれた身体が弛緩している。
 ちゅっ、ちゅっとお互いの唇が音を立てる。
 だんだんと舌がひりひりとしてきた。
 ひたすら没頭する。
 かすかに血の味を舌先に感じる。どちらかの歯茎から血が出てきたのかもしれない。
 半時もかけてせっぷんを交わしたころ、ウィルの背中に回された手が軽くけいれんをはじめ、女が切羽詰まった吐息を漏らすようになってきた。
 ソフィアの頬は桃色に染まっており、目の焦点が合わなくなってきた。
 ウィルは、黒いお仕着せに包まれた女の両肩をベッドに押しつけながら、舌を深く差し入れる。
 ソフィアは弓なりになって、びくびくと震えた。

「あっあっ! つっ!?」

 それでようやく、ソフィアは達した。
 唇の端から、どちらのものとも分からないよだれをこぼし、ソフィアはとろけた表情をしている。

「これでソフィア。きみはぼくの唇だけで達した女になったんだよ」

 ウィルは事実だけを告げるように、そう淡々と言った。

「次は、胸でいかせてあげる。胸も開発してあげないとね。唇でいけたんだから胸でもいけるとおもうよ」

 そう言って、まだどこか呆然としているソフィアの服を手際良く脱がしていく。
 すると、薄い胸のわずかなふくらみがあらわになる。
 ソフィアは肩を呼吸をしており、そのたびに女の横隔膜が広がり、肋骨が左右に開いては閉じる。
 激しく上下する胸を見下ろしながら、はたと気がついた。

「あれ? ソフィア。前はほとんどぺったんこだったけど、おっぱいのトップの辺りが膨らんできているよね?」
「へ? はえっ?」

 ウィルはソフィアの淡い乳房に、歯を立てるように吸いつく。
 びくんっ! と身体が震えて、唇から声が漏れた。

「あ」
「屋敷に来てから栄養状態も随分良くなったしね。ぼくの手の平で育った乳房ということか。うん。悪くない」

 鶏がらのように肋の目立っていた身体も随分と女性らしい丸みを帯びてきた。
 そして、執拗に淡い乳房をこねくりまわすこと四半時。

「だ、だめっ……。それ以上やられたら……。あ、あんっ……」
「だめもなにもイカせるためにやっているんだから、それ以上やるに決まっているじゃない」

 ひたすら執拗に、淡い乳首の周辺が膨らんだだけの乳房を舌で突つき続ける。
 途中、渇いてきた女の処女膜を唾液で湿らせることも忘れない。

「あ……あっ……あっ……ああああっ!」

 銀髪の少女は再び身体を痙攣させた。

「うん。これでソフィアは胸でも達したね」

 ウィルは陣取りゲームのように、ソフィアの身体の支配地を少しずつ増やしていく。
 だが、どれほど支配地を増やしたところで、心と純潔だけは奪うことができないのだ。

「このままだと、いい加減ぼくのほうが欲求不満になるから助っ人を呼ばせてもらうよ」

 ウィルは、もぞもぞとサイドテーブルのほうに身体を伸ばし、その上に置かれていた銀色のベルを揺らした。
 からんからんという甲高い金属音が鳴り響く。

「な、なにを……?」

 ソフィアがそう疑問の声を発した。

「まあ、服を脱いでて。ぼくも脱ぐから」

 数分もしないうちに、コンコンとノックがされた。

「入って」

 ドアを開けて寝室に入ってきたのはうつむいた赤毛の少女であった。
 音は寝室に敷かれた伝声管を通じて、使用人の待機部屋へと伝わったのである。
 マイヤは顔を上げると、雨に打たれた子犬のように裸のウィルのほうを上目遣いに見つめてきた。
 それにチクリとした心の痛みを感じつつ、ウィルは口を開く。

「さあ、マイヤも裸になって。仰向けに足を開いて、ここに寝転んで。あっ。すぐに入れられるように濡らしておいてね」

 あまりにあんまりな台詞だが、マイヤは素直にうなずいた。
 昼間、マイヤに『部屋に来てよ』と言ったが、部屋に来るということは、こういうことなのである。
 ――もっと以前に、マイヤに向かって言った言葉がある。

『ソフィアって中にれられないだろ? 今度からぼくがソフィアを相手にするときは、マイヤが台になってほしいんだ。そのとき、ぼくはマイヤのことをほとんど相手にしない。ただ挿れられる台に徹してほしい』

 マイヤは、文句一つ言わずに服をぽんぽんと脱ぎ捨て全裸になる。
 その乳房はややふっくらと女性らしい膨らみになりつつあった。
 赤毛の少女は、立ったまま股間に指をわせて、準備をはじめる。

「マ、マイヤ」

 ソフィアが唖然と口を開ける。
 やがて、眉をひそめる幼なじみの股間からくちゅくちゅという音が響きはじめた。

「今日のメインはソフィアだ。オレのことは気にしなくていいからな」

 そう言うなり、焼くなり煮るなり好きにしろといった感じで、裸のソフィアの横に仰向けに身を投げ出した。
 そして躊躇なく、ぱかっと青白い股を開く。
 赤い陰毛が二人の目の前に見える。
 そして、ウィルによって開拓された谷間が桃色に濡れている。
 そんな体勢にも関わらず、マイヤは澄ました表情をしていた。
 赤毛の少女の心境を窺わせるものは、シーツを掴む指先の微かな震えだけである。
 ウィルは全裸に剥いたソフィアの身体を横抱きに抱え、

「お、おい……」

 仰向けのまま、マイヤの身体の上に重ねる。
 ソフィアの白い肌は、汗にまみれ、温度が高かった。
 一方のマイヤの青白い肌は、待機時間が長かったのか、どこかひんやりとしている。
 ぴちゃりとマイヤの胸が、ソフィアの背に当たるとき、二人の少女は、やわはだの触れあう感触に眉を歪めた。

(すごい眺めだな……)

 少女が二人、天井を向いて仰向けになったまま身体を重ねているのであった。マイヤの足は青白く、ソフィアの足は白い。
 M字に開かれたマイヤの下半身の上に、さらにM字のソフィアの下半身が載っかっている。
 トリスに誘導されたわけでもなく、ウィル自身の意思でこうしているのである。
 ウィルは覆いかぶさって上側にいるソフィアと口づけを交わした。
 ぴちゃぴちゃと舌を絡ましているときに、

「……っ!」

 下敷きにしているマイヤの顎が反った。
 ウィルのほうは、唇をほころばせながら、ぎゅっと目をつぶっている。
 貫いたのはマイヤの女陰のほうである。
 ウィルはソフィアを抱いているかのように振る舞っているのに、マイヤの身体のなかで腰を振っていた。
 マイヤのなかは、かなりキツく締めつけてくる。
 ウィルの希望に沿うためか、赤毛の少女は声がでないよう、自分の手を半ばまでみ込んで、声が漏れるのを押さえつけている。
 ウィルは、上側のソフィアの太ももを掴みながら、腰を振り始めた。
 腰を押し出すたびに男の身体の厚みの分だけ女のやわにくが変形し、衝撃を受け止めるために身体全体で震える。

「…………くっ……はっ…………。く……」

 それでもマイヤの唇から熱い吐息が漏れる。
 ソフィアは上からのあいに身体をくゆらせ、しきりに首筋に当たるマイヤの吐息にくすぐられて、ときおりくすぐったそうに背筋を震わせる。

「ウ、ウィル。ちょっとこれはいくらなんでもマイヤが……うむぅ、ちゅぷ」

 ソフィアの抗議は、ウィルの唇によって塞がれる。
 唇を吸うのと同時に、淡くつんと尖った乳首をいじる。
 どちらも先ほど女が達するまで使ったので勝手は分かっている。
 マイヤはソフィアの体重と、ときにウィルの体重までのしかかってくるので苦しそうにしている。

「……はあはあ。ぜえ……」

 だんだんとマイヤの呼吸が荒くなる。
 だが、ウィルは構わずに、腰を振り続ける。

「だ、だめ。オ、オレ……」
「黙ってろ。マイヤ」
「……あ、あ、ああ……。ごめんよ。オレ、先にいっちまう……。くうっ。ああああっ!」

 するとマイヤは、両手で唇を押さえたまま下半身がぶるぶると震わせた。
 達してしまっているのである。

「うう……」

 ソフィアは身体の裏側で接する女の肌が震えていることに動揺している。
 弛緩して、首筋にかかる吐息がさらに熱くなっているのだ。

(タイミングがずれたなあ……)

 だが、もともとマイヤは台として呼んだのである。そもそも合わせる必要がない。
 そのまま構わず突いてしまうことにした。
 ソフィアの乳首を弄りながら、ラストスパートに向けて腰を振る。

「……だ、だめ……。また、なにか波が来そうだ!」

 ソフィアはマイヤの肩の上に後頭部を押し当てて、弓ぞりになろうとする。
 ウィルのほうも射精の前兆のようなものが腰を昇っていくのを感じていた。
 達するタイミングを合わせようと、マイヤのなかでさらに勢いよく腰を振る。

(あ、もう少し。もう少しでイキそう……!)

 だが、マイヤにとっては達したばかりで敏感になっているところを、そんなに乱暴に扱われては堪らない。

「……あ、あ、ああ。そ、そんな。オ、オレ、イったばかりなのに……。ダ、ダメぇだよ……」

 突然、マイヤの下半身が、がくがくと大きな痙攣をはじめ、その拍子につるんとウィルの剛直が滑って抜けてしまった。

(あっ、やばい……!)

 ウィルはあわてて、腰を引いて、後ろに倒れ込む。
 約束に反して、ソフィアの処女膜を破いてしまったら殺されかねない。

「うっ……」

 ウィルの男性器が空中で射精の脈動を開始する。
 とうの先端から精が発射される――それも、ぱっくりと口を開けたソフィアの女性器に向けて。
 一回目の脈動で放たれた精がソフィアの女芯の下あたりを叩き、それが垂れ落ちるよりも早く二回目の脈動が訪れる。
 そのときウィルは、はっきりと見てしまった。
 二回目の射精で放たれた精が、処女膜の真ん中にぽっかり空いた小さな穴の隙間に飛び込んでいくのを――
 個人差は大きいものの女の処女膜というのは、実は結構隙間が大きい。
 ソフィアの処女膜の穴は、幼児の小指の先端くらいの広さがあり、男根を通すにはとても穴の広さは足りないものの、射精の通し穴としては十分である。
 それを針穴でも通すように、見事な精度で射貫いてしまった。
 それも相当多くの精液を亀頭の鈴口より、どびゅっと放出してしまったように思う。
 射精の反動で陰茎が大きく上下に揺れたこともあり、三回目・四回目の精はソフィアの尻穴のほうにぶつかった。
 慌ててウィルは男性器を下に向けるがもう遅い。
 ウィルの精液が白いシーツを汚すだけである。

(と、とんでもないことをしてしまった……)

 射精が治まった後、

「ふ、ふたりともしばらくそのままでいて」

 ぽっかりと空いた桃色の処女膜の内側には、たしかに白いウィルの放った精液が顔をのぞかせている。
 天井にでも届きそうな勢いで精を放ったのである。結構な量がちつないに侵入してしまったことだろう。
 それでも妊娠の心配はない。
 ウィルは段取りの良い男なのである。
 レノスの街に出発する準備には、マリエルを奪還したときのために、ソフィアに避妊薬を飲ませておくことも含まれていた。
 だが――

(これって、ソフィアの純潔が失われたことになるよね……?)

背筋が寒くなる思いがした。
 精液を膣内に侵入させておいて純潔もなにもないだろう。
 とりあえずハンカチで慎重に、ソフィアの処女膜の表面をぬぐった。
 そして、ウィルは腰を抜かすように溜息をついた。

(お、終わったかも……)

 このときウィルは、ソフィアの身と心を手に入れる権利を失ったと思った。

「どうした?」

 銀髪の少女は呆然とするウィルを不思議そうな視線で見上げていた。

(ソフィアは、なにが起きたのかまだ分かっていないんだ。とにかく事情を説明しないと……)

 ウィルが重い口を開くまえに、ソフィアが口を開いた。

「ウィル。わたしはいま力が戻ってきているぞ。一応、をさせたらいけないから報告しておく」
「はあっ!?」

 素っ頓狂な声をあげるウィルをよそに、銀狼族の少女は、細い指先でぎゅっと拳を握ったのだ。


   ‡


 ウィルは再び、マイヤの上で腰を振っていた。
 今度はソフィアを上に載せるようなことはしない。横にソフィアが寝ているものの、一対一である。
 ウィルを愛する少女の、ウィルのもので馴染んだ女の性器のなかを剛直が出入りをする。
 ウィルの下腹をマイヤの赤い下の毛がこすれる。

「あ、あ、ああっ! オ、オレ、もうイキそうだ!」

 マイヤがそう叫ぶ。さきほどまでと違って声は我慢していない。
 少女の乳房が揺れている。改めて揺れるくらいまで膨らんだのだなと感じていた。

「ああ。マイヤ。ぼくもイキそうだよ」

 上になって動くウィルもそう返答する。
 マイヤの手がウィルの背中に触れかけて、そのまま、ぴたりと空中で静止する。
 ばたんと両手をシーツに落とし、代わりにぎゅっとシーツを握りしめた。
 数度腰を振った直後、ウィルは、にゅるりとマイヤの膣内から剛直を抜き取る。
 ばっと上体を起こして、マイヤから身体を離す。
 すると、マイヤは寂しそうに内股を閉じ、そそり立っていまにも爆発しそうなウィルの剛直を指をくわえて見上げていた。
 ウィルは、あわただしく隣に寝ているソフィアの股の間へと移動し、ふとももを左右に押さえつける。

「し、慎重にやってくれ」

 怖々こわごわとしたソフィアの声が上から聞こえてきた。
 ひくひくと呼吸をするように動く自身の亀頭の先端を、ソフィアの処女膜の入り口にあて、ウィルはぶるぶると背筋を震わせた。
 誘惑に負けて、腰を押し込んでしまうことがないよう、かすかに震える指先で自身の性器を強く押さえて自制している。
 ほんの少しウィルが顎を上げたとき、射精がはじまった。
 どくっどくっとウィルの男性器が震え、剛直の先端から精液が放たれていく。
 その精液は、ソフィアの赤子の指先ほどしかない処女膜の隙間に流し込まれているのだ。

(ああ、気持ちいい……)

 すぐにソフィアの膣の入り口は白い精で一杯になり、入りきらなかった精液が女性器を上を流れ落ちる。
 肉体的な快楽はそれほどでもないが、精神的に満たされるものがある。
 いままで行き場を失っていた支配欲が満たされていくのが大きい。
 一滴残らず解き放ったあと、ウィルはソフィアの膝裏を持ち上げ、尻をクッションの上へと寝かせた。
 腰を高くして、自身が注ぎ込んだ精液をより膣内深くに染みこませるためである。
 いま、膣内に精液を流し込まれている少女は、いまだ処女であり、けがれなき乙女であった。
 天から力を授かる資格というものは、これほどまでに教条的だったのだ。

「……やれやれ。終わったか」

 草原で育った女は、精液を流し込まれる行為をそれほど深刻に捉えていないようであった。
 処女膜を剛直で突き破られない限り、抱かれたという意識になれないのかもしれない。

「意外に平気そうだね?」
「ん? ああ。皮膚の剥けた尻にバターでも塗っていると思えば……」
「尻にバター?」

 せっかく自分の注いだ精液をバターなんかと一緒にされては心外である。

「ああ。塗り薬としてもバターは使われるんだぞ」

 ソフィアはそう、なんでもないことのように言った。
 たしかに聖母であるまいし、処女のままでは妊娠しないという思い込みがあってもおかしくないだろう。

「あまり馬に乗ってないと尻の皮が薄くなってな。急に長旅に出ると尻の皮がつるんと剥ける。あれは本当に痛い」

 ソフィアは世間話のように、そんな話まではじめた。
 少女の尻の下にはクッションが宛がわれているため、いつもより少し高い角度にしょが見える。
 もう何度もウィルのまえに下半身をさらしたので、ソフィアは見られることに吹っ切れた感じになってしまっている。

(なんか納得がいかない……)

 ウィルにとっては、もっとなにかこう屈服させたという征服感がほしいところなのである。
 ここで暗い顔の一つでも見せていれば、銀髪の少女の今晩の命運も違ってきていたかもしれない――
 視線を落とすと、女性器の下に桃色のすぼまりが、海辺の生き物のように呼吸しているのが見えた。
 こぽりと処女膜の隙間から白い精液があふれだし、それが尻のほうに垂れ落ちる。

「ソフィアって坐薬くらいは使ったことがあるよね?」
「……ん? ああ。熱を出したときに。それがなにか……。ま、まさか……」

 ウィルのぎらぎらと光る視線にソフィアが怯える。
 ウィルは以前、トリスに尻の穴を見せてもらったときのことを思い出していた。
 ちつこうより垂れ落ちてきた精液を、ウィルは中指で掬い上げて、

「お、おい!?」

 ソフィアの抗議を無視して、尻の穴の上へと塗り込む。

「ちょ、待てっ!?」
「処女を捧げることと心を許すこと以外なんでもって言ったよね?」
「そ、それは確かにそのとおりだが……」
「たぶん、このままだといつか、うっかり処女膜を突き破ってしまうと思うんだ。でも、お尻の穴を使えるのであれば、突き破ってしまうこともないと思うんだよ」
「う、うううう……」

 ソフィアに選択の余地は無かった。


   ‡


「つ、冷た……!」

 ソフィアは、肛門にまわりに塗り込まれる感触に、四つん這いになった身体をびくっと震わせた。綺麗な桃色の窄まりに、薄緑色をした粘着質の液体が絡みつく。
 使っているのは、女中長ハウスキーパーが渡してきた丸い缶に入った軟膏のような薬剤であった。

『ご主人さま、そうにゅうに苦労する場合などにお使いください』

 レベッカのが予想以上に大変だったことを見かねて、トリスが製作したようだ。海藻を煮詰めて作ったと言っていた。舐めても無害であるとか。
 指に触れると、蜘蛛の糸のように尾を引く。水で洗ってもヌルヌルがなかなか落ちない。
 ぎゅっと引き絞られていたソフィアの尻穴は、力を入れるたびに粘液で滑って、ぬちゃっぬちゃっと音を立てている。
 試しに指を押し込んでみると、さきほどまで侵入を拒んでいたソフィアの尻穴に、

「ぐお……」

 つるりと指が第一が中へと侵入した。粘液を馴染ませるために、軽く指を回転させる。

「ぐぐ……」

 少女は食いしばった歯の隙間から涎をこぼしていた。シーツを指で掴んで、慣れない感触に必死で耐えようとしている。

(たしか、ほぐしておいたほうが良いんだっけ……?)

 女性器と違い、濡らすだけでなく、柔らかくなるよう馴染ませておいたほうがよいと聞いたことがある。こういう子を産むことに繋がらない倒錯的な行為に対し、貴族のぞうけいは深い。
 ウィルは四つん這いになった少女の横に寝転がって、しゅうに赤くなる少女の横顔をずっと見つめていた。
 ソフィアは、白いお尻をぷるぷると震わせるほどぎゅっと力を入れているにも関わらず、ウィルはさして力を入れる必要もなく、容易に指の第二関節のあたりまでが、にゅるりと入った。

「ご、おおお……」

 異物感に、少女の目の焦点が一瞬ぶれる。

(これこれ……この表情を見たかったんだよね……)

 少年の股間のほうも、開戦の合図を待つ槍先のように、武者震いしていた。
 これだけ塗り込めば、もう大丈夫であろう。

(もう我慢できない……)

 ウィルは、ソフィアの背後に回り、尻たぶを左右に広げた。

「ひッ。お、おお……」

 ソフィアは、菊門を広げられる感覚に、四つん這いの体勢で唸り声を上げていた。
 ウィルが、ソフィアの菊座に男根を押し込んでいるのだ。
 その下の膣からは、処女膜の隙間から涎のように精液が垂れ落ちていて、実に扇情的な光景である。
 銀狼族の少女を犯すという目的がなければ、一生縁のなかった穴かもしれない。
 ソフィアの菊穴にはこんしんの力を込められているが、粘性の液体を塗り込まれた穴はつるつると滑る。
 亀頭の先端が、少しずつ女の尻の中に埋まりはじめる。
 ミシッ、ミシッと音を立てるかのように、尻穴が広がっていく。

「せ、せめて、ゆっ、ゆっくりやってくれ。裂ける、裂けてしまう」

 ソフィアはシーツの上に両肘をついて、両手で銀髪を押さえて、自分のなかに侵入する異物感に耐えている。
 さきほどソフィアの膣内に精を放った。
 だが、やはり男根を挿入しないと物足りなさがあったのだ。

(これだよ。この感覚なんだよ!?)
「おおおおおう?!」

 声質自体は透き通るような女の声なのであるが、いまのソフィアは、尻を掘られているからであろうか、うめき声の口調まで、いつも以上に男っぽい。
 軍隊を率いたことのあるソフィアの尻穴をえぐるというのは、若い少年兵のカマでも掘っているような風情がある。
 尻穴が外側にめくれていく。
 亀頭がすっぽりとソフィアの直腸に埋まると、そこからはにゅううっと一気に男根が入っていく。

「おおおおっ!」

 ソフィアは背を反らしてうめいた。

(きついのは入り口だけで奥は一気に入るんだね……。なんかこう唇の輪っかの強烈な感じというか)
「ああ。あったかい……」

 膣内に埋まっているかのようにソフィアのなかは温かく、ウィルはほっこりした。
 体温自体は、口に含んでもらうほうが温かいだろうが、両の尻肉を鷲づかみにして限界まで腰を前に突き出している感じが良い。

「ソフィア。痛い?」
「そ、そこまで痛くはないが。なんか、こう、ひどいっ!」

 ソフィアはひとすじの銀糸を唇に載せながら、ウィルのほうを振り返った。

「ひどい?」
「入ってはならない場所に入ってくる異物感がっ……」

 そう言われてみて、ウィルはぬうっと男根を亀頭が辛うじて埋まるあたりまで引き抜いてみた。
 柔らかい輪っかで男根を強くしごかれる感じに、膣とはまた違った味わいがある。

「おっおっおっ」

 これもソフィアの声である。
 ゆっくりと引き抜かれる感触にぶるぶると背筋を震わせている。
 おそらくは排泄するときの快楽が引き出されているのであろう。
 そして、再びぬうっと中に入れると、再びソフィアは悩ましげな嬌声をあげた。
 胸を愛撫されて、達するときの悲鳴は女性的であったが、菊門をえぐるときにはすこし野太い悲鳴になるようであった。
 ウィルは、少しペースを掴んだように男根を抜き差ししはじめた。
 ソフィアのほうは慣れない刺激に、ふとももをブルブルと震わせている。

「くお。掘られる兵士の気持ちが初めて分かった気がする」

 銀狼族にも男色の兵士がいたのかもしれない。

「どんな感じ?」
「屈辱だ!」

 ウィルはそれを聞いて、頬を緩ませた。
 自分でも意地の悪い表情だと思ったが、幸いお尻を向けているソフィアに見られることはない。

「でも、慣れてよ。ねっ? そしたらもっと楽になると思うから」

 ウィルはいかにも手慣れた人間のようなことを言った。

「そうなのか? でも、できることなら、こんな刺激に慣れたくはないぞ。んっ! ううっ」

 射精するために、ウィルは腰の動きを早める。
 ソフィアは、刺激が辛いのか、半ば中腰になり、背が反り返る。
 逃すまいとその肩を掴むと、そのままソフィアは後ろのウィルのほうに倒れてきた。

「おっと」

 あぐらをかいたウィルの上にソフィアが後ろ向きに座る体勢となる。

「うっ。おほほ。すごい締めつけ」

 ウィルは心底楽しそうに顎を上げた。
 ソフィアの菊門は一際強くウィルのものを締めつけてきた。
 力を抜けば、あっさりと抜けるはずなのに、それができず強くくわえ込んでいるのである。
 男根の根元を強く締めつけていた尻穴に、上から亀頭を押し出すような刺激が加わった。
 排泄のためにするように亀頭を押し出そうとしているのだろう。

(さ、さらに気持ち良くなった……)

 根元と亀頭の先端の、二段階で締めつけられているのである。
 ちつあなほど複雑ではないし、唇ほど舌先に女の意思が込められていない。
 だが、また違った良さがある。

「あっあっ……おっ。あんっ」

 ソフィアの銀髪がふわりふわりと揺れる。
 ぬるっと根元までウィルのものをくわえ込んでは、ぴょこっとソフィアの身体が跳ねる。

「おっ、あっ、あっ、くおお」

 ソフィアは相変わらず、奇妙な嗚咽を漏らしている。
 男根を抜こうと身体を上げると、排泄の快楽がもたらされるが、ウィルの男根はくわえ込んだのように抜けそうで抜けなかった。
 そして男根を抜くところまで身体を持ち上げられず、自重に負けるように再び腰を下ろすのだ。
 ウィルが身体を動かさなくても、ソフィアのほうから勝手に上下に身体を動かしてくれてとても楽だった。
 そのうち、ソフィアは貫かれている感覚にようやく身体が慣れてきたのか、ぶるぶる震える膝でなんとか中腰になって、呼吸を落ち着けようとしている。

「なんで男が女の尻穴を使うんだ……」

 目に恨みがましい涙を溜めて、ソフィアはそう呟いた。

「だって前の穴が使えないから。どうせなら前のほうがいい?」
「そんなの人として当たり前だ!」

 ソフィアはそう言ったあとで、はっと口に両手を当てた。

「べ、べつに抱かれたいと言ってるわけではないぞ……」

 銀髪の前髪を押さえながら、そうごにょごにょと言い添えた。
 なんだかその様子が可愛くなって仕方がない。

「ソフィア。一緒にいこう」

 そう言いながら、下から腰を振り始める。

「あ、ああ。そ、そんな……。おお」

 ぐちゅぐちゅと水音を立てていく。
 ソフィアの直腸がぜんどうする。

「た、たのむ。おおっ。ゆ、許してくれ。わ、わたしはお尻の穴なんかでイキたくないっ」
「駄目だよ。処女以外はぼくのものになるって誓ったんだから! 約束は守ってもらわないと」

 ソフィアが逃げるように、ぴょこぴょこと跳ねるので、下から突き上げやすくて助かる。
 相性がいいのか、お尻の穴から抜けることは無かった。

「だ、だけど! おおっ。くうううっ。また、なかでおっきくなった。キツいぃ」

 銀髪が跳ねる。
 ソフィアのまだ熟れきっていないたいの軸を縦に貫いている。

「だっ……! んあ……! おお……ッ……! わたしは、もうっ……!」
「ソフィア……ソフィア……、ソフィア…………! イクよ! 中に出すよ!」

 達する直前、ソフィアはり所を求めるように、後ろのウィルの首に両手を巻き付けてきた。
 二人は強く抱きしめ合いながら、お互いに背を反らした。
 どくっどくっどくっと直腸に精が注がれている。
 その感触に、ソフィアはぶるると身を震わせた。
 二人は力尽きたようにシーツのうえにもつれあった。
 睡魔が急速に襲ってくる。
 ソフィアのほうも身体を小刻みに痙攣させながら、まぶたを下ろした。
 そんな二人を介抱するのは、いままでじっと気配を殺していた赤毛の少女マイヤの仕事であったのだ――
 まず、いままでソフィアの直腸に入っていたウィルのものを口にくわえ、表面の汚れを舐め取っていく。
 もしウィルが女の尻の穴を使う機会があればそうするようにとトリスから言われている。
 そのほうが衛生的で、ウィルの身体に良いという。
 ウィルの身辺を整えるのは、側付きウェイティングメイドのマイヤの仕事である。
 男根の掃除が終わると、風邪を引かないように二人の汗をタオルで拭っていく。
 そして、適当なところでソフィアを起こし、ウィルの部屋から退出させる。
 トリスの管理する屋敷にいる限り、朝まで一緒に寝ると後々面倒なのだ。


   ‡


 廊下を歩きながら、銀髪の少女が赤毛の少女のほうにちらちらと気まずそうな視線を送っていた。
 歩きながら、ときおり腰のあたりを落ち着かなさそうにさすっている。

「聞くのもなんだが、気恥ずかしくならないか? あんなことのあとだから正直わたしは恥ずかしい。明日から旅の道連れだから、あまりギクシャクした感じにしたくないんだが」

 ソフィアは困ったようにそう言った。
 銀髪の少女は、マイヤと裸の肌を合わせた上に、情事後の身支度まで手伝ってもらった。

「なあに、オレは育ちが悪いんだ。あんなもの屁でもねえよ」

 マイヤはなんでもないことのように赤毛の頭を振った。
 不思議そうな顔をしているソフィアの背中を二、三度強く叩き、

「まあ、男なんて出しちまえば頭がすっきりするようなどうしようもない生き物さ。深く考えても仕方がない」

 そう言って、笑ったのだ。

「そうか。ありがとう。わたしはマイヤに助けられているな」
「まあ。おまえはオレの友達だからな。友達だったら助け合うのが当たりまえだ。明日は早いんだ。明日からがおまえにとって重要なんだろ。さっさと休んだほうがいいぞ」
「マイヤは本当に良い奴だ」

 ソフィアはくすりと笑った。
 そこで、廊下を左右に分かれた。


   ‡


 さらに夜更け――
 屋敷のシルエットの尖った部分、高い塔のてっぺんの三角錐の物見台の窓から、夜空を見上げている少女がいた。

「ぐすっ。ぐす。ぐすっ。うううう……」

 いつもの気丈な振る舞いはどこへやら。膝小僧を抱えている。
 赤毛の少女マイヤは、ほんの少しだけ吊り目の大きな青い瞳からボロボロと涙を零し、思いっきり下唇を歪めていた。
 この少女がいまここで泣く理由はいくつかある。
 理由の全てはウィルに関係することだ。

「オレ、まえよりも弱い女になった気がする……」

 この少女なりに守っていた、野良のら矜持きょうじのようなものがあったはずだ。
 だが、惚れた男のために全てを投げ打って捧げ尽くしているのである。
 二人ならば乗り越えられることもあるだろう。
 だが、愛しい男の胸に抱かれていたからこそ、今日はつらい夜であった。

「あいつが悪い。すべて、ウィルのやつが悪い……!」

 ぐすりと湿る鼻でマイヤはそんなことを言った。

「そのとおりだよ。全部ぼくが悪い」

 次の瞬間、マイヤの寂しげな細い背中が男の体温で包まれた。

「ひゃ、ひゃあああ!?」

 マイヤの身体がさっとこわばり、赤毛のうなじが粟立っている。

「びっびっくりしたあああ!? おま、おま、おまえなんでここに……!」

 マイヤは振り返ってあわあわと口を開けた。

「いつもマイヤって何かあるとここに来るでしょ? 今日、久しぶりに来ると思って待っていたんだ。いたッ!」

 マイヤがウィルの手をがぶりと噛んだ。

「最初から来て隠れていたのか! 悪趣味が過ぎるぞ! この、ボケ! バカ! アホ! 女たらし! スケベ!」

 振り向いたマイヤが、至近距離でウィルの胸をぽかぽかと叩く。

「ごめん。ごめん。悪かったよ。少し吐き出してからのほうがいいと思ってね」

 ウィルがそう言うと、マイヤは深く溜息をついた。
 そしてウィルは、再びマイヤの背中を胸の中に抱きかかえた。

「落ち着くまでずっとこうしていてあげる」

 ウィルの腕がまだ小ぶりなマイヤの胸を形を確かめるようになぞりあげる。

「んっ……」
「マイヤって、半年前に比べるとおっぱい大きくなったよね」

 ウィルはそう言いながら、マイヤのまだ小ぶりな乳房をゆっくりとみほぐす。
 少しまえまであった青い芯のようなものが、次第に揉みほぐされてなくなってしまった。

「大きくなったし柔らかくなった。ぼくの手の平のなかで成長して、ぼくに揉まれるために存在する胸だ」

 ウィルがそう言うと、すこし張り詰めていたマイヤの肩から力が抜け、こてっと赤毛の頭をウィルに預けてきた。

「おまえって本当に欲張りだよねあ。ソフィア一人じゃ満足できないんだな? 一応オレのことも欲しいんだな?」
「うん」

 ウィルは即答した。
 正直、ソフィア一人だけでは満足できないかどうなど考えたこともなかったが。

「マイヤのことも欲しいというか、すでにマイヤは一生ボクのものだもの。マイヤには、ずっとぼくのそばにいてもらうよ」

 そう言うと、マイヤの身体がびくっと揺れた。
 目の前の首筋に鳥肌が立ち、背筋がぞくぞくと小刻みに震えている。

「マイヤ?」
「待て。ウィル。少し待て。こっちを見るんじゃないっ……!」
(ははん……)

 ウィルは無情にもマイヤの白い顎を掴んで、こちらを振り向かせた。
 そこには、にへらとくちもとを緩め、ひくひくと頬を緩ませる少女の顔が……。

「大好きだよ。マイヤ」

 ウィルは口をひんまげて勝ち誇るようにそう告げた。
 愛の告白というよりも、そう言ったら、どんな表情をするか見たかったのである。

「痛ッ!」

 がぶりとマイヤはウィルの指に噛みついた。
 血が出ているかもしれない。そのくらい強く噛まれた。

「ふー、ふー、ふー」

 マイヤは、犬歯を剥くようにして肩で息をしながらウィルの顔を睨み上げている。
 可愛さ余って憎さ百倍という感じかもしれない。
 その表情には、いろんな感情が渦巻いている。
 出会ったころのマイヤのようだ。
 ウィルは、屋敷に連れてこられたマイヤをひと目みて気に入った。
 出会ったころのマイヤはウィルの一番お気に入りだった。
 この少女は感情の宝箱であった。
 怒り、憎しみ、かなしみ、そして時間をかけて植え付けた――喜び、愛情、そして服従。

「分かった。分かった。ぼくもちょっとばかり調子に乗りすぎた。少し落ち着こうよ」

 ウィルはそう言って、動物のづくろいをするかのように、少し手荒い手付きで月明かりで照らされるマイヤの赤い髪をきはじめた。
 赤毛の少女の髪から嗅ぎ慣れた良い香りが漂ってくる。マイヤが屋敷に来たころから使っている洗髪剤の匂いである。
 やがて次第にマイヤの呼吸も治まってきた。

「おまえってつくづくひどい男だよな。これほどオレのことを理解しておいて、ここまでオレにつらく当たれるんだよな」

 マイヤはそうしみじみとそう呟く。

「もうちょっとくらいオレに優しくしてくれてもいいじゃねえか……」

 赤毛の少女は、少し湿った鼻先をウィルの手の甲に埋めて、甘えるようにそう言った。
 皮膚に少女の湿った鼻先を感じる。
 優しい吐息を吐いている。

「マイヤは、ぼくがソフィアと一緒に草原に行ってしまうことが心配なんだよね?」

 すると、マイヤは一度びくっと身体を震わせてから、ぐっぐっと鼻先をウィルの手に押しつけて肯いた。

「馬鹿だなあ。もし、ぼくが草原でソフィアと遊牧生活をはじめたらマイヤも一緒についてくればいいじゃないか」
「えっ! それってアリなのか!?」

 振り向いたマイヤは大きく青い目を見開いて叫んだのだ。

「マイヤとの約束は一生守るよ。たとえそうなっても家犬が牧羊犬になるだけの話じゃないか」

 ウィルがそう言うと、マイヤは見開いた青い瞳をうるませ、照れくさそうに顔を正面に戻した。
 そして左右から回されたウィルの手を掴み、少女自身の両頬に当てる。
 ウィルの手の平に、もにょもにょとマイヤの頬の動く感触が伝わってきた。

「ここでする?」

 そうウィルが言って、横から覗きこもうとしたが、マイヤは顔を伏せた。

「明日、朝早いんだぞ」

 少女はわざと不機嫌そうなこわを作ってそう言った。

「マイヤのためなら徹夜でもいいよ」

 ウィルがそう言うと、マイヤはするりとウィルの腕から抜け出して振り向きざま、いきなり、どんとウィルの胸を突き飛ばした。
 ウィルは後ろにごろんとひっくり返った。

「あ、いてて。けほっ」
「馬鹿なこと言ってんじゃねえよ。明日からが大事だろ。いつでもヤれる女の相手なんか後にしろ。ほれっ。引き上げて、明日のためにとっとと寝るぞ」

 マイヤは、ウィルの手を乱暴に引き上げる。
 そしてそのまま駆け出す。

「わ、わわわ!」
「すべておまえの望みどおりにしてやる。ずうううっとオレがおまえのために尽くしてやるからなっ!」

 とんとんと一足飛びに石段を跳ねる足音が夜の闇に響く。
 赤毛の少女に手を引っ張られるようにして、螺旋階段を急ぎ足で下りたのである。


◇ 屋敷の女性一覧 ◇
女中長   1人 (トリス◎)
蒸留室女中 2人 (リサ◎・サリ◎)
洗濯女中  6人 (第一:ジュディス◎)
         (第二:イグチナ◎・ブリタニー◎・シャーミア◎)
         (第三:アーニー◎・レミア◎)
料理人   1人 (リッタ◎)
調理女中  3人 (第一:ジューチカ)
         (第二:エカチェリーナ・フレデリカ)
皿洗い女中 2人 (ニーナ・ルノア)
乳母    1人 (アラベスカ◎)
酪農女中  3人 (ケーネ)
客間女中  1人 (フローラ◎)
雑役女中  8人 (ルーシー・チュンファ・デイジー)
側付き女中 3人 (ソフィア○・マイヤ◎・レベッカ◎)
修道女   1人 (ヘンリエッタ◎)
その他   1人 (オクタヴィア)
    計33人
お手つき 16人 (済み◎、一部済み○、途中△)




第四十四話「尽くす女と貪られる女」へのコメント:
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書いている著者自身がWeb版/同人Kindle版/商業版の各バージョンの違いで混乱しているものでして、もし読んで気になる点や誤字脱字などございましたらご指摘願います。
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