以前、伯爵家女中伝の読者さんから「我が秘密の生涯に似ていますね」と感想をもらって以来ずっと気になっていました。もう絶版になっているのですが、ようやく1巻〜3巻まで入手したのでその感想を。わたしが読んだのは佐藤春夫訳の下のような装丁のものです。
最初は、初々しいショタからはじまるのですが、可愛げがあったのは、第1巻の第4話のシャーロットのあたりくらいまで。若い二人は愛し合ったものの結局結ばれず、シャーロットは裕福なパン屋の息子の元に嫁いでいきます。
その後もずっと主人公視点で物語が続いていくのですが、やっていることはかなり極悪非道です。
第5話からは料理女メアリを手込めにし、実は妊娠していた(ということは堕ろした)と知らされたあとも、メアリが暇をもらって出て行くまで性欲の命ずるまま抱き続けます。第6話では友人の屋敷の姉妹女中を二人とも手込めにしてそのうち一人を堕胎させるわと無軌道ぶりに拍車がかかっていきます。
女性が妊娠するとなったら、日本の官能小説だとほぼエンディング間際だというのに、当たり前に孕ませて当たり前に堕ろさせて、その後も延々と物語が続いていくのがすごい。
第9話になると主人公の屋敷に奉公に来た妹キティを心配して既婚者となったシャーロットが会いに来るのですが、好色文学らしく手込めにして種を仕込みます(主人公の子供、最終的に何人生まれていることやら……)。
第3巻20話に至っては、ある貴族の邸宅で男女6人の大乱交をやらかしました(ここの濡れ場はすごく良かったです)。
そのホスト役の貴族は、
「淫売たちにお茶を入れたくありませんわ、こんなお屋敷はもうご免ですわ」
とメイド頭や料理女に離職されてしまい、殴り飛ばした執事からは訴えられ、借家の邸宅から追い出されるわと、使用人に見放されるとこうなるんだという顛末でした。
全5巻あるので、4巻5巻が手には入ったらまた続きを読んでみたいと思います。
田村隆一版はこちら(翻訳によってかなり文章が違うようです)
作者不詳って・・・・・・すごいインパクトですなw
おお、太田陳畝さんにコメントしてもらえて嬉しい。
おめでとうございます!(この名義で話題にしていいんでしたっけ……?)
自分も作者不詳にならないよう頑張らねば……。
いいんじゃないでしょうかw
しかし、この「我が秘密の生涯」って本、ロゴといいイラストといい、本屋で見つけても絶対手に取らないタイプですよね。天川さんは、どうやってこの本にたどり着いたのやら知りたいですw
LOVEこそわが人生って力説されても、この紳士、どこ見とんねん、って目線ですよね。あらぬ方向を見てる。
深夜になると、このサイトに来てしまう。不思議だ・・・・・・。
>しかし、この「我が秘密の生涯」って本、ロゴといいイラストといい、本屋で見つけても絶対手に取らないタイプですよね。
百年以上昔の古典ですからねえ。読むなら佐藤春夫訳がお勧めです。
最初は読者の方に勧められ、こりゃ一通り目を通しておかないといけないだろうと思って読みましたがわりと嵌まりますよ。