ブックオフ売上分析
たまたまブックオフの決算資料を見て驚いたのですが、コミックより活字のほうがより大きな売上を占めているんですね。 ブックオフって漫画コーナーはまだそれなりに人がいて小説コーナーは人がまばらだった覚えがありますが、集客と売上は別という点で興味深いです。漫画は立ち読みで読み切られてしまい、なかなか売上に結びつかないのでしょう。
データ出典:ブックオフグループ・Fact Book 2014
以前は本が売れても著者に収益の入らないブックオフへの非難が声高に叫ばれてきましたが、ここ数年はそういう議論がほとんどされなくなっているように思います。
それもそのはず2010年あたりからブックオフの売上(特に紙の書籍)は頭打ちになっており、店舗数を減らしはじめています。

データ出典:ブックオフグループ・Fact Book 2014
ブックオフと電子書籍の売上比較
特にブックオフの業績に占める漫画の割合は減少しています。
データ出典:ブックオフグループ・Fact Book 2014
おそらくブックオフでの漫画販売の業態は、十冊漫画を立ち読みをしてせいぜい一冊買うか買わないかくらいだと思います。ということは、これまでブックオフで費やされてきた膨大な読書時間が減っているわけで、ふと気になって、ブックオフの売上と電子書籍市場の売上を比較してみました。

データ出典:ブックオフグループ・Fact Book 2014および
インプレスビジネスメディア2014調査報告書
ブックオフは2010年度あたりから成長が横ばいになっており、そのあいだに電子書籍がぐいぐいと売上を伸ばしています。
これまで立ち読みで済ませられてきた販売機会の損失が、(ブックオフまで行かなくても携帯やタブレットで読める)電子書籍の売上げの拡大に結びついている面はかなりあるのではないかと思いました。
スマホを肌身離さず持ち歩く人が増えてきて、コンテンツ市場というものが電子書籍だけでなくゲームも含めたスマホ上の時間の奪い合いになっている傾向は明らかでしょう。利用者の時間を奪い合っているなか、探すのが面倒な紙の中古本が不利になるのはごく当然なことかもしれません。
インプレスビジネスメディア2014調査報告書